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La・Ruche
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千歳の返事に迷いがあると、ユキは見抜いているのだろう。
ユキは涙をごしごしと拭うと、何度も踏まれてぐちゃぐちゃになったドライフラワーの残骸を拾い集めた。
「ちゃんとお片付けもする。ピーマンも……食べるから」
「……ユキくん」
親でも何でもないのに、ユキの成長を心待ちにしている自分がいる。
すでに片付けを始めていた宇野木は、眼鏡を外してユキ以上に泣いていた。
「いいよね……なんか。ユキくんも偉いし、和泉さんも本当の親みたいで」
しみじみ呟く宇野木の声を、ドアの開閉の音が遮った。
さきほど街で見かけたときと同じ服装のレグルシュが、帰ってきた。
ユキが散らかしたリビングを見回して、「何だこれは」と三人に言葉を投げた。
「ど……ドラゴンだっ!」
レグルシュの機嫌が急降下したことを察し、ユキは千歳の後ろへ隠れる。
雑貨屋を経営しているだけあり、インテリアにも拘りがあるようで、ドライな性格に似合わず、部屋は綺麗で明るい。
それがこの有様だ。
「お前。また散らかしたんだな。柚弦がついていてどうしてこうなる? 俺はあれほど言ったよな。二度と暴れ回るなと」
「レグがドラゴンになった……!」
「はあ? くだらない言い訳をするな」
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