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La・Ruche
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それも半ば押しつけるような形だったと、レグルシュは消化できない怒りとともに吐露した。
「シッターさん……は、ダメだったんですよね。保育園や幼稚園には通っていなかったのでしょうか?」
「外見のせいで虐められて、幼稚園にはそれ以来登園していない」
「そんな。ひどい……」
あんなに優しくて思いやりのある子が。オメガとからかわれた過去の自分との境遇を重ねてしまい、胸が張り裂けそうなほど痛かった。
友達ができず、会いに来られない母親に嫌われたと泣いていたユキ。
そんなユキが千歳と出会う前、唯一頼れるのはレグルシュだけだったのだ。
計り知れない深い寂しさと悲しみに、千歳は涙を流す。
「ユキのために、泣いているんだな。お前は。俺はオメガが心底嫌いだが……お前が側にいてくれて、よかったと思う。そうでなければ……俺だけでは、ユキの心は壊れていたかもしれない」
レグルシュはワインを煽ると、深く椅子にかけた。
千歳だけではない。レグルシュもユキを深く愛しているのだ。
愛情を持っているからこそ、激しくぶつかり合うこともあったのだと、今になって分かる。
「……ユキくんが幸せになるには、どうしたらいいんでしょうか」
「姉貴が旦那を連れ戻すしかない……が、そうできる可能性はほぼゼロに近いだろうな。かと言って、俺がずっと預かる訳にもいかない」
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