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ユキ
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恐縮する千歳の向かいでは、ユキが「美味しいよ!」と言いながらお代わりした焼き飯を、ぱくぱくと平気そうな顔で食べている。
レグルシュは自分の昼食をつくろうと、キッチンへ移動する。
まだ片付けていないことを思い出し、千歳は慌てて立ち上がった。
「すみません。すぐに片付けますね」
「これは食っていいのか?」
レグルシュはフライパンに残された、一人分には少ない焼き飯を指差した。
「はい……構いませんが」
「美味しくないかも……」と謙遜する言葉は続けて吐けなかった。
予防線を張ったら張ったで、「ユキにそんなものを食わせたのか」ともっともな指摘が飛んできそうな気がしたからだ。
「ユキの分も残しといて!」
「お前は五歳のくせに食い過ぎだ。肥満になるぞ」
レグルシュは席につき、ユキのもちもちした白い腕を摘んでみせた。
レグルシュの心ない台詞に、さっきまで食べていたペースをがくんと落とす。
「もう……意地悪はだめですよ。ユキくんが気にして食べなくなったらそれこそ心配です」
「ユキはお前が思ってるほど繊細なやつじゃない」
年上の雇用主に、千歳はユキに言い聞かせるような言い方をしてしまった。
冷や汗をかいたが、レグルシュは特に気に留めなかった。
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