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ユキ
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天邪鬼で、千歳が可愛いと言ったら、レグルシュは必ず否定する。
ただ、ユキ本人に「可愛いね」と言ったら、「男の子だよ」と、不機嫌な顔をされたので、ついうっかりが出ないよう気を付けないといけない。
「すおう こゆきってどう書くの?」
千歳の質問に、ユキは画用紙にひらがなで書いて答えた。
「こゆきくんって素敵なお名前だね」
「……ゆきこちゃんってからかわれるから、あんまり好きじゃないんだぁ」
先日、ユキが自己紹介するまで、本名を知らなかったのだ。
自分のことをユキと言うのも、男の子というのを強調したい心理の現れなのかもしれない。
「僕も千歳って女の子みたいだ、ってたくさん言われたよ」
自身が鈍いことは少なからず自覚しているつもりで、そのときは間違えられたんだ、程度にしか感じなかった。
今思えば、からかいの言葉だったのだ。
「僕もユキくんのお名前、覚えたよ」
「え、もう!? ちーすごいねぇ!」
今日はピーマンを食べられたご褒美に、カフェにデザートを食べに行く日だ。
昼過ぎは主婦や学生達の輪が多く、ちらほら羽を休めに来たサラリーマンもいる。
ユキはティーセットのケーキをどれにするか迷っていた。
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