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ユキ
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「最上さんというのは……さっきここにいた女性でしょうか?」
「はい。最上さんは……」
樹の話の途中で、千歳のスマートフォンに着信が入った。
レグルシュからで、千歳は慌てて応答ボタンを押す。
『おい、何時間かかっているんだ。ユキに店のデザートを全種類食わせる気か?』
レグルシュの不機嫌な声が、スピーカーから漏れる。
「すみません……っ。えっとですね、今、緊急事態で」
『俺が分かるように説明しろ』
狼狽える千歳の耳元で、ユキが「レグー!」と呼びかけた。
「ぱぁぱがね、今ユキと一緒にいるの!」
『はあ? パパだと……? 本当にそこにいるのか?』
「うんっ。パパに代わってあげようか?」
「ユキ……! やめなさいっ」
樹は千歳からスマートフォンを奪うと、一方的に通話を終了してしまった。
そうして震える手で、千歳にそれを返す。
「ああ! その、すみません! 義弟さんとは反りが合わないといいますか……あの人、オメガを目の敵にしているでしょう。どうにも苦手で」
「お気持ちは分かりますが……。樹さんは、レグルシュさんとエレナさんと、きちんと話し合うべきです。どうしてエレナさんやユキくんから逃げるのですか? 二人を嫌いになったわけではないんでしょう」
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