アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
心の中
-
次の日も湊と一緒に学校へと向かう。
「んでさ、サッカー部の先輩がさあ!」
湊は興奮した様子で昨日の部活動体験会について語っていた。
「...っていうか...。昨日、お前部活動体験会行ったの?帰りにお前みたいな人見かけたような気がしてさ。」
僕はこくりとうなずく。
「料理研究部にはいろうと思って...」
そういうと湊は驚いたように言った。
「へえ!まさか星音が部活なんて考えもしなかったよ。がんばろうぜ」
僕はうん、と返した。
僕は人とかかわるのが嫌で引きこもりみたいな生活だったからなあ、と思う。
気付くともう校門まで来ていた。
僕らは今日も早めに教室についた。
今日も諸連絡のみで解散となったので、部活へと向かった。
先輩はまだ来ていないようで、僕は先にカバンを下す。
すると、星崎君が話しかけてきた。
「ねえ、星音君は普段どんなことするの?」……正直困った。
僕は、料理はできるけどお菓子作りは得意というわけではない。
それに、僕は人付き合いが苦手だ。
だから……なんと言えばいいのか分からなかった。
「うーん...音楽聞いたりとか。」
それ以外の返答は思いつかなかった。
中学校までの僕は本当に家に引きこもりがちだったから。
...まあそれも理由あってのことなんだけど。
とにかく人づきあいを避けてきたから、ほとんど遊びにいったりもしな
かった。
そんなことを考えていると、先輩たちがやってきた。
「君たち、早いね!」
そういって高西先輩が腕をあげる。
「よし!出発するよ!二人とも荷物もって!」
「ふぇ?」
僕は急な展開に変な声をあげてしまった。
出発?どこに行くの?
「今から、親睦会をするのよ!おいしいスイーツの店で!」
ああ、そういうことか、と納得する。
取りあえず荷物をもって、先輩たちとともに学校を後にした。
電車に乗って移動している最中に、僕はずっと考えていた。……みんなと
うまくやっていけるだろうか。……仲良くなれるか心配だ。
でも、きっと大丈夫だと、自分に言い聞かせた。
僕が今まで避けてきたのは、あの件があったからだ。
でも...このまま引きこもって生きていくわけにもいかないからね。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 58