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印象
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さあ、帰ろう、そう思った時だった。
「星音君!」
あ、この声は。僕は後ろを振り返った。
そこには元気よく手を振る星崎君の姿があった。
「あの子、僕の部活の星崎君。今日二人で買い物行くから、先かえるね」
「あ?お、おう」
目を丸くする湊に手を振って歩き出す。
湊が驚く理由はわかる。僕が誰かとお出かけなんて、ほとんどしてないから。
僕は待っている星崎君のところに走っていこうとして、重いバッグをつっかえて転んでしまった。
恥ずかしさで顔が赤くなる。
星崎君は大笑いしていた。
星崎君がこんな大声で笑うのは初めてのような気がした。
そりゃそうか、あって間もないし。こうやって印象って変わっていくんだな、と思う。
「あははっ、星音君、ほんとおばあちゃんみたいだよ」
そういって星崎君は手を差し伸べてくれた。
僕はその手をつかんで起き上がった。
もー...二人しておばあちゃんって、そんな女の子っぽいかな...?
僕は歩き出す星崎君を必死に追いかけながら考えた。
「星音君?」
いつの間にか目の前に星崎君がいてぶつかりそうになっていた。
「...っあ、ごめん。」
僕は驚いて謝った。
「もう、考え事?何かあれば聞くからね?」
星崎くんは優しいな。
「ありがとう」
そう返して歩き始める。
もうさっきの考え事なんてすっかり忘れていた。
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