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コンサート
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た、助かった?
しばらく声が出せずにいる僕を、先輩が見下ろす。
「おい、あの人にナンパされたんだろ?大丈夫か?お前、一人で来たのか?」
そういわれて僕は首を横にふるふるとふることしかできない。
「友達がいんだな?もうすぐ始まっから、席いけるか?」
僕は涙をぬぐってうなずく。
「じゃあ、また後でな。気をつけろよ。」
あの時と同じセリフを言ってその先輩は立ち去って行った。
さっきの男の人は、先輩のことを知っている様子だった。
凛音さん、っていってたかな?
でも先輩はその人を見るのが初めてだったみたいだし、不思議だな。
その時、ブーと、開演を知らせるチャイムが鳴り響く。
僕は周りを気にしながら、急いで席へと向かった。
「おい、星音どこ行ってたんだよ?」
席に着くなり小声で湊が聞いてくる。
「ちょっとお手洗い。ごめんね」
そういって何とかつくろった。
「一番目が俺たちの高校の先輩のバンドだよ」
それを聞いて僕は聞きたかったことを思い出す。
「ねえ、そのバンドの名前って...」
「d-stopia」
そう湊が言った瞬間、ステージが明るくなって、そこにはバンドのメンバーがそろっていた。
d-stopia?
僕が入学してすぐに聞いたあのバンド。
まさかあのバンドが...うちの高校だったなんて。
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