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初めての料理
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次の日の朝、僕はとても目覚めがよかった。
朝早くから家を出て、学校へ向かう。
今日は料理研究部で初めての料理としてクッキーを作る日だ。
家を出て、歩きながらさっとスマホを確認する。
メール?こんな時間に?
慌てて確認すると、昨日交換した凛音さんからのメールだった。
『今日、会えるか?』
会いたいというお誘いだった。
僕は立ち止まる。
会いたくてたまらない。けど部活をほったらかしになんてできない。
『ごめんなさい、今日は部活なんです。』
そう打ってとあることをひらめいて、あわてて文字を消す。
『午後はあいてるので、午後会いませんか?』
僕は凛音さんにクッキーを作って渡すことに決めたんだ。
喜んでくれるかなあ。
料理研究部の部室に入って、エプロンを着る。
「おはようございます!」
僕は元気よく挨拶をする。
「おはよー」
「おはよ、星音君、早いんだね」
みんなが口々に返してくれる。
僕はエプロンに着替えて、みんなより先に準備を済ませた。
「先輩、僕先に冷蔵庫から材料とって来ちゃいますね。」
そう言って僕は調理準備室へと向かった。
そこにはきれいな冷蔵庫が一つたっていて、そこを開けると様々な材料が置いてある。
「あ...賞味期限がちゃんとまとめて書いてある...」
変なところに感心しつつ僕は材料をそろえてバットに乗せた。
ちょっと重いけど、何とか調理室の机へと置いた。
「星音君、ありがとう」
そう言って高西先輩が僕を手伝ってくれた。
材料を並べ終わると、先輩からの説明が始まる。
説明が終わると、新井先輩が手をたたいた。
「んじゃ、始めよっか!なんかわからないことあったらいつでも聞いてね!」
僕らは自分のバットをもって自分のテーブルへ移動した。
「星音君は何の型にするか決めてる?」
目の前にある型がたくさん入った入れ物を指さして星崎君が言う。
形か...
どんな形なら、凛音さん喜んでくれるかな?
僕は型を手に取っていろいろと見比べる。
ハート、星……猫……? う~ん……。
「これとかいいんじゃない?」
悩んでいる僕に助け舟を出してくれる。
「いいね、あと、えっと……これとか?」
「うん、いいと思うよ!」
僕は星の型を手に取った。
よし!
材料を混ぜて、型でくりぬいて、オーブンに入れる。
あとは待つだけだ。
オーブンの近くに座っていると、高西先輩に声をかけられた。
「星音君、結構頑張って作ってたけど、誰かにあげたりするのかしら?」
「は、はい。先輩にあげようと思っています。」
すると先輩はにっこり笑った。
「誰かにあげると思うと作るのも楽しいわよね。出来上がりが楽しみね」
凛音さん...喜んでくれるといいな。
クッキーが焼き上がり、僕はそれを持ってきた袋に詰めた。
「みんなお疲れさま!おいしそうなクッキーになってよかったわ!」
「次に作るのはちょっと先だけど、楽しみにしといてね!」
先輩のあいさつで解散になる。
僕は急いで家に帰って、服を着替えた。
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