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仕返し
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「はい、どうぞ」
そういって差し出すと、凛音さんは少し驚いたような顔をした後、ニヤリとした。
「じゃあお言葉に甘えて」
そう言った瞬間、凛音さんの唇が僕の口に触れた。……えっ? キスされたと理解するのに時間がかかった。
「ちょ、ちょっと凛音さん!こ、ここお店!そ、それにオムライスですっ!」
よくわからないことを言葉にしてしまい、凛音さんに笑われる。
「オムライスより星音がさ~き」
そう言って僕の手のスプーンにかぶりついた。
「もう……」
人に見られているかもしれないのに……恥ずかしい!
「こういうの外ではだめですからね!」
そう言って凛音さんを怒るが、凛音さんはにやにや笑うだけだ。
凛音さんのばかっ。
でも幸せそうだからいっか、なんて思ってしまう。
凛音さんが好きすぎるんだ。
ずっと好きだってわからなかったけど、好きって意識したとたんにどんどん好きがあふれてくるんだ。
「よし、星音、デザート頼もうぜ」
ご飯を食べ終わって、一息ついたころに凛音さんがそういった。
それが聞こえたのか、さっきの店員さんが駆け寄ってきた。
「ご注文はどうされますか~?」
チーズケーキにしようかなあ……
そう思った時。
「ん、いつもの」
凛音さんは店員さんにそういった。
「了解。ほんと朝西君はあれ好きねぇ……」
そう言って笑いあう二人。
お似合いだな……なんて思ってしまう。
「んで、星音くんは?」
そう言われてビクッとする。
なぜだか凛音さんをにらんでしまい、凛音さんは「どうした?」と心配してきた。
慌てて謝ってチーズケーキを注文して、スマホを取り出した。
LINEを開いて、湊にメッセージを送った。
「今暇?電話かけられない?」
もうここにいるのはいやだった。
辛くて仕方がなかった。嫉妬がこんなに嫌なことだなんて、知らなかった。
「いいけど。」
すぐ湊から返信が来て、着信がなる。
「っあ、ごめんなさい、電話来たので少し話してきますね!」
精一杯の作り笑いを凛音さんに向けて、僕は逃げるように外へと出た。
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