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風呂から上がったみふゆは 、 控えめな声で俺を呼んだ 。
女にしては低く 、 男にしては高い声 。
可愛いというよりは 、 綺麗な声だと思う 。
ほかほかに温まった猫は満足したようで 、 俺のぶかぶかな服を着ても嫌がらずに匂いを嗅いでいた 。
本物の猫のように 。
みふゆは大人しく 、 必要以上に口を開かない 。
なにを話すわけでもなく 、 その場でもじもじするだけだ 。
「 腹 、 減ってるか? 」
そう聞いても 、 首を傾げるだけ 。
薄っぺらい腹に掌をあてて 、 う〜 、 と唸った 。
「 ぼく 、 ぼく … 、、 」
なにか悩んで 、 また口を閉じる 。
これじゃ意思の疎通ができないと 、 小さなため息をついた 。
出前でもとるか 、 とスマホを取り出した瞬間 。
視界の端に 、 猫のつま先が見えた 。
「 ごめんなさい … ぼく 、 かえる 。 ぼく 、 わるいこだから 、 かえります 。 」
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