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テーブルの上に並んだ朝食を前にして 、 猫は瞳を輝かせた 。
鳴き止まない腹の虫 。
かなり空腹なのだろう 、 じたばたと暴れている 。
「 こら 、 暴れるな 。 先に顔洗って 、 スッキリしてからな 。 」
そう声を掛けると勢いよく頷いて 、 ぱたぱたと洗面台の方へと駆けて行った 。
その後ろ姿 、 後頭部に寝癖を見つけて少し和む 。
平和な早朝 、 穏やかな日常 。
なんだかむず痒くなり 、 珈琲をズズっと啜る 。
「 りゅ 、 りゅう 、 かおきれい? 」
戻ってきた猫に裾を引かれ 、 はっと我に返った 。
よくやった 、 とその小さな頭を撫でれば満足そうな表情を浮かべ 、 そそくさと椅子に座る 。
またパチン 、 と手を合わせ 、 いただきますとお辞儀した猫と朝食を摂る 。
昨日より顔色もよく 、 なんだか調子が良さそうだ 。
「 今日は服とかいろいろ買いに行くか 。 」
と一人で呟き 、 黙々と食べ進める猫を見守った 。
案外このチビ助との生活も悪くない 。
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