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欲しいもの
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俺はさっき見ていた夢の話をした。
「え‼ホント!?」
「うん、ホント。」
「俺も同じ夢見た‼!」
「え!?そうなの?なんかすごいね俺たちww」
これが男と女だったらバカップルなんだろうな。
いや、男と女じゃなくてもそうなのかも・・・・・・・・。
「おい、そこのバカップル。」
頭の上から?それとも中から?か声がしてきた。
「「!?」」
「お主ら以外居るまい。バカップルが。」
「あのぉ~、どちら様でいらっしゃいますか?」
誰、誰、誰!?
何処から話し掛けてんの!?
何処、何処、何処!?
え、何処にいるの?
「うむ、これは失敬。儂は神じゃ。今、天界からお主らにこうやって話し掛けておるのじゃ。」
「そうだったんですか~?」
隣の海を見ると目を丸くしてあんぐりしている。
お~い、海~。
目の前で手を振ってみるがダメだ。
「放心状態じゃの。」
「そうですね・・。でも、なんで神様が俺たちなんかに?」
「うむ、実はじゃの本命はお主なのじゃ。」
「・・・?俺ですか・・・?」
「うむ。お主にじゃ。実は赫々云々で・・・・・」
「なるほど、つまり願い事を1つ叶える引き換えに何かを失うんですか・・・。」
「まぁ、そうなるの。して、お主は願いはあるか?」
「えぇ、まぁありますけど・・・。」
「なんじゃ、申してみよ。」
「海と同じ能力が欲しいんです。」
「うむ、良かろう。して、それを引き替えにお主は何を選ぶ。」
「う~ん。・・・・・じゃあ、この毛の色でどうでしょう?ダメですか?」
「う~む、・・・よかろう。ただし、今回限りじゃからな。前回はここに住んでおる自称ドM男に言いそびれてしまったからの。引き換えの話を。」
「もしかして、斉藤君のことですか・・・・?」
「うむ、確かそうじゃったの。・・さて、お主の願いを叶えるとしよう。」
「わざわざすみません。こんな願いで。」
「気にするでない。願いなど人それぞれじゃ、それにこれが儂の仕事じゃからな。では、
ゆくぞ。」
「はい、お願いします。」
そして、身体がいきなり光り始める。
身体から放たれた光は、どこか優しく温かい感じがした。
「よし、これで願いは叶えた。儂はこれにて失礼する。」
「はい、ありがとうございました。」
「うむ、また困ったときは儂を呼ぶとよい。では、またな・・・。」
神様の声は頭から消えて行ってしまった。
海の方へ目をやるとまだボーっとしていた。
「海。ねぇ、海ってばぁ。」
ペチペチッ。
頬を軽く痛くない程度に叩く。
「あぁ、隆人・・・・・。って、ええぇっ‼‼」
海は正気に戻るやら否、俺を見て後ずさりをした。
「ん?どうしたの?」
「頭が真っ白‼あと眉も!もしかして、いきなりじーさんになt「それちがいから!」」
海が言い終わる前に言葉を被せる。
「あのね。神様にこの毛の色と引き換えに海と同じ力を貰ったの。」
「・・・え・・、そうなの・・・?」
「・・うん・・、ダメだったかな・・・・。」
「ううん、すごく嬉しい。隆人だったら耳とかしっぽに合うよきっと。」
「えへへっ、そうかな////」
「ねぇ、早速なんかに姿変えてみてよ。」
案外、海はノリノリだった。
「うん、頑張ってみる!」
とは言ったものの、何になろう。
もういいや、この際猫で!
猫を意識し、身体に力を入れる。
「ふっ・・、んぅ・・。・・・・・・うぅ・・・っ、・・・・・だぁっ。」
あ、ヤバい。
これ結構キツい。
苦しいかもしんない。
「うわぁ、隆人超かわいい♡」
「はぁ、はぁ・・・・。ふぇ・・・?・・・はぁ・・。」
体力的にキツく、息が上がる。
どうやら完全に猫にはなっていないようだ。
「ほら見て見て!耳耳!」
海が手にしている鏡を覗き込む。
そこには耳が猫に変わってる自分が居た。
しかも、毛の色に合わせて真っ白だ。
恐る恐る触ってみる。
そこには猫特有の薄い感じの耳が存在していた。
パタパタ。
後ろを見ると、真っ白なしっぽが生えていた。
すごいな・・・。
神様に感謝しなくては。
俺は人生で初めて神様に感謝した。
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