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It is Not Bullying
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会話がたどたどしい。
「なんでもいいけどよ。お前、その話し方なに?ビビっんなら俺、なにもしねーよ?」
一応、フォローをしたつもりだった。
ビビってる中、俺と2人で話そうとしたなら。まじで讃えたいくらいだし。でも話の進展遅いし。
ただ、責めるつもりはなかった。
なかったんだが、矢神はどう捉えたのか。身体をビクッと震わせて、そのまま俯いてしまった。
「………矢神?」
声をかけても反応しない。握った手が震えているのに気づいた。
「責めるつもりとかはないぜ?なんだよ、いじめられでもしたのか?」
なんて冗談を言ってみる。どうにかこの空気を変えたい。
しかし矢神はその言葉にさらに大きく身体をビクッと震わせた。
「……どうしたんだよ。」
顔を覗き込むと、矢神の見開いた目から大粒の涙が降ってきて、俺の頬を濡らした。
「なっ!泣くなよっ、」
さすがに生徒会を泣かせたなんて噂が立てば、俺の立場がことさらなくなる。
「……っ!やぁ…、だ…っ!」
そう思って矢神の頬に手を添えようとした瞬間、思いっきり手を振り払われてしまった。
矢神は涙を腕で拭って、逃げようとする。今度は俺がそれを捕まえる番だった。
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