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「お腹…すいたね…」
歩希は照れくさそうに指で頬を掻くと、もう片方の手で腹を摩っていた。
その言葉を聞いて拍子抜けした縁は、思わず吹き出してしまった。
「だな!飯にすっか!」
縁は立ち上がると水にぷかぷかと浮かんでいる歩希に手を差し伸べる。
それを掴み立ち上がった歩希は、どこかバツが悪そうな表情を浮かべながら、一緒に白いシートに置いてあるランチバスケットの元まで水をかき分けるのであった。
❁⃘
日が長くなるといっても、9時近くの空はさすがに暗い。
数軒しかない居酒屋の提灯も赤く光り、人通りの少ない田んぼ沿いの道を明るく照らしていた。
そのうちの一軒、「まほろ」と書かれた暖簾から三人の中年男性が出てくる。
一人はスコアットロのマスターであった。
「あ、マスター。こんばんは」
「おや、歩希くん。こんばんは。
縁くんもこんばんは。また寄らせてもらったよ」
「ちぃーす!栗田さん!マジサンキュです!」
マスターの口からは、ほんのりと酒のにおいが香ってくる。
それはそばにいた二人の大人も同じであった。
その中でも特に、酒のにおいが強い一人のおじさんが縁に絡んできた。
「おうおう縁〜、今帰りかい?こんな時間まで出歩いてるなんておめぇーも夜遊び上手の仲間入りだな!」
「どひゃ!長谷川のおっちゃん!重ぇーしくせぇーよ!
飲みすぎはよくねーっていつも言ってんじゃんか」
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