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SIDE03 品方燈真(しなかたとうま)
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俺は特等席に座り鞄を枕に寝転んだ
目を瞑ると一瞬で寝れそうな気がする
するとそれを邪魔するように
再びドアが開く
気になりそっちに目を向けると
スラックスか
一人の男がフェンスに寄りかかっていた
靴の色からしておそらく1年
黒髪で細くて身長も170くらい
思いたくはないが中学の時の
あいつに似ている面影
何故か無性に顔が見たくなってしまった
「さぼり?」
俺はとっさに口にだしてしまった
別に喋る気なんてなかった
「俺ですか?」
そいつは俺の言葉に気付いたのか
こっちに顔を向ける
一言で言うと童顔だ
中性的で黒髪が良く似合う
きっと誰が見てもイケメンの分類だろう
「他いないだろ、さぼり?」
「あ、はい」
向こうもちらっと俺の上靴を見た
上級生であることを知ったように
よそよそしく距離感をつくってくる
「1年はちゃんと授業受けないと」
「先輩はいいんですか?」
「俺はもう手遅れ」
「そうなんですか」
淡々と話しだけは流れていき
沈黙にはいる
「名前聞いていい?」
俺はまた距離をつめる
迷惑かもしれない
だけど会うのも今日限りだろうから
まあいいやと開き直ってしまう
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