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SIDE05 我妻千尋 (わがづまちひろ)
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「千尋…ちひろ、」
俺の名前を呼ぶ懐かしい声がした
(千尋おいで)
「にぃ、ちゃん…」
「千尋、おまえ泣いてんの」
その言葉が俺を現実へ戻した
確かに頬には
何粒もの涙が溢れていた
「悪かった」
「え」
さっきまであんなに乱暴だった 大和が
打って変わって
俺を優しく抱きしめた
その身体は妙に震えていて
俺は思わず背中に腕をまわした
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