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……夢、なのかもしれない。
あの施設で初めて出会った頃のような、髪の短いナツネ。
それに……いつの間にか姿を現した、山引。
中性的な顔立ちで、知的である象徴の眼鏡を掛け、長い髪を後ろに束ねた山引は、柔和な笑顔を僕に見せた。
「山引くん!……生きてたんだね!
今まで、どこにいたの?」
あの日……大量のナツネを産んだ山引は
いつの間にかその形を無くし……消えていた。
「……そうですね。
強いて言うなら、私はナツネの中に。
ナツネは私の中にいました」
……そうか。
「それにしても、お互い痛い思いをしましたね」
「……まぁ、覚悟はしてたけどな」
そうだったんだ……
僕はずっと、ナツネくんは一人だと思っていた。
だけど……そうじゃなかった……
それを知れた今、少しだけほっとした。
本当に、少しだけ。
それから……
二人は、真面目に話す僕を茶化して、
軽口を叩いて僕をからかい、クスクスと笑った。
僕がこの3年間、どんな思いでいたかも知らないで───
「ずいぶん傷つけたみたいだな。
悪かった……」
トン、とナツネくんの手が、涙を溢す僕の胸に当てられる。
「痛いの痛いの~ 飛んでけーっ!!」
その手が、空へと振り上げられる。
『ママが教えてくれた魔法の呪文、よく効くだろ?』
そう言って、明るく笑った。
……僕にかけてくれた、魔法……
確かに、確実に救われたよ。
……でも、違う。
おまじないをされたからじゃない。
ナツネくんが、傷ついた顔をしていなかったから……
山引くんと一緒に、笑って光のある方へ向かって行ったから。
「……伊江」
カズに、抱き締められる。
裸の肌を合わせれば、その温かさに心が絆されていく……
ゆりかご跡地まで、僕を探しに来てくれたカズ。
……あの日、あの施設へと連れ去られるキッカケとなったバスに……あれ以来、初めて乗れた……
揺られるバスの中、カズの肩にそっと頭を預けて。
床に転がった林檎。
シャワーを一緒に浴び、まだ足元のふらつく僕の体と髪を洗ってくれて。
湿ったままのカズと、なだれ込むようにベッドインして……
「……はぁ、……ぁ、」
キスの後、組み敷かれ。
ぷっくりと膨らんで芯のある乳首を舐められ……
舌先で弾かれ、甘く噛まれて……
「伊江……、」
「……あぁっ!……カズ」
弓形に背が仰け反り、ビクンッと体が反応する。
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