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13 ☆
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《晴》
「……ぅえ…….っ……」
その子は嘔吐しそうになるが、慌てて口を手で押さえ目を白黒させてる。
「莫迦!吐き出せ!」
口を覆ってる手を引っ張るが、首を振ってゴクンと飲み込んだ。
あーあ……躾、行き過ぎだぞ、店主!!
飲み込んだ後何とも言えない顔してたけど、
「大丈夫?」
の問いかけに、コクコク頷く。
そして、『褒めて!』と期待いっぱいの表情。
「うん!よく頑張りました!」
頭を思わず撫でると、クシャッと笑顔で誇らしげだ。
か、可愛い……。
でも口の中をまだ気にしてる。
この子あんまり経験ないんだろう。
確かに生臭いもんな。
あ
「上手に出来たご褒美。口開けて?」
一瞬警戒するが、俺が笑ってもう一度促すと素直に口を開ける。
その小さな口に、飴玉を放り込む。
昼、コンビニに行った時に何の気なしに買ったレモンののど飴。
持ってて良かった。
目をぱちくりさせて、恐る恐る舐め始める。
びっくりして、舐め始めたら甘くて夢中で食べてる。
まさか、食べた事ない??
小さな飴玉はすぐに無くなる。
「……ぁー………」
空っぽになった口を触って、がっかり肩を落とした。
その光景が可笑しくて。
「まだあるよ?」
袋振って見せると、顔が輝いた。
でも自分からは何のアクションもない。
ただ物欲しそうに見つめるだけだ。
その手に袋ごと押し付けた。
「………」
「ご褒美。こんなもんで悪いけど。」
「……」
押し付けられた袋と俺の顔を見てる。
「好きに食べて良いんだよ?
もうズグのだよ?」
何を言っても、袋と俺を交互に見てる。
「お客さん、二時間です。」
店主がドア越しに声を掛けた。
え?
もう?!
途端にその子が反対の方角に走り寄る。
そこでピタッと止まって動かない。
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