アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
20 ☆
-
《晴》
そろそろとズグがベッドに近寄る。
「うん、おいで?
フルーツ飴にしたんだ。
何がいい?
苺?パイナップル?オレンジもあるよー?」
ペタンと隣りに座って、ズグは飴に釘付けだ。
「お取りよ?」
「ぁー……?」
俺をチラチラ見て、手を出さない。
ズグが一番長い時間見てた赤い飴玉を握らせた。
「食べなよ?
俺も食べようかな?」
オレンジの飴を頬張ると、ズグが恐々包み紙を取る。
飴を口に入れて、ズグが一瞬で蕩けた顔になる。
「あー!」
「うまいか?良かった。」
大きめの飴玉を夢中になって舐めてる。
ヨシヨシしたら、くすぐったそうにする。
うーーん。
さっきの痩せた男にも、その顔見せたのか?
なんかモヤモヤ。
「……ぁー……」
口の中が空になって、俺をじっと見る。
「うん。次はどれが良い?」
「あう…。」
ズグが身を乗り出そうとした。
その途端、
「フギャ!」
と言って蹲る。
「……ふぇ……」
涙目になって堪えてる。
「……何?どーした?捻った?」
慌てて肩を支える。
あれ?
ダボダボのTシャツの首元から、背中が覗いてる?
赤いミミズ腫れのような……?
「……ぁー……?」
「ああ、ごめん!」
飴と俺を見比べる。
「どうぞ?あーこれじゃダメか。
はい、今度はパイナップルどうぞ?」
その手に握らせると涙目を瞬かせて、ふわっと笑う。
可愛い。
でも、背中が気になる!
パイナップルの包み紙と格闘してるズグの背中を、そっとめくって見た。
「何なんだ?!!
これは?!!」
いきなりの大きな声にズグがびっくりして、飴を放り出してベッドの縁まで後ずさった。
「あ、悪い悪い!
大丈夫だよ?ほら、飴。」
飴玉渡そうとしても警戒しているのか、ズグは動かない。
じっと痛そうな顔して、俺を見てる。
大きな声を出した事を後悔した。
でも、これ酷い。
背中には無数のミミズ腫れ。
腹の方まである。
しかも出来たとこらしくて、裂けて血が滲んでる。
それにズグが座ってた所に点々と赤い血の跡。
何が有ったのか想像出来る。
アイツーー!!!
痩せた酷薄そうな男の仕業だ!!
絶対に許せん!!
店主に文句を……
ダメだ。
ズグは、この店の子猫見習い。
ひとときの二時間だけの飼い主が何しようと自由。
でも、冗談じゃない!
納得済みで子猫になったのならともかく、ズグは何にもわかってないのに。
それに傷付けるなんて酷過ぎる!
ズグがマゾならともかく!
「お客さん!大きな声が聞こえけど、どうしました?」
すぐそこで、店主の声。
ズグがあたふたして何をするのか思い出したみたいに、俺の側で跪き手でスラックスのジッパーを下ろそうとする。
手が……震えて上手くジッパーが下ろせない……
俺が酷い目に遭わせるか不安で、涙目になりながら上目遣いで時々怯えたように見上げる。
客から酷い目に遭わされ。
店主から脅され
新たな客の奉仕する。
ズグ…………
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 208