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《晴》
なし崩しに先輩にズグの事を話す事になった。
それも近藤も一緒に!
話し出して気付いた。
俺は誰かに話したかったんだ。
先輩は相槌打つだけで、静かに聞いてくれた。
意外な事に近藤も黙ってる。
話終えた時に先輩が静かに言った。
「晴、おまえはどうしたいんだ?」
「それが一番俺自身にもわからないです。
先輩ー、これは恋ですか?
それとも可哀想な子に肩入れしてるだけっすか?」
先輩は呆れたように言う。
「自分でわからないのか?」
近藤が低く口笛を吹く。
え?
どっちなんだ?!
「せんぱーい……意地悪せずに教えて下さいよー!」
「………可哀想な子だったら、何故警察や児童相談所に言わない?」
「それは!この子にも事情があるのかなって…」
「何故『コーチク』に足繁く通ってる?」
「放っとけないじゃないですか!!」
「何故他の男にヤキモチを焼く?」
「それは……」
つまり……恋?
「晴は俺の事ならわかるのにな。」
先輩が面白そうに言う。
「だって……んな事言っても自分を客観視は出来ねー……」
そうか。
恋、だったんだ。
まさかの一目惚れ。
そっか。
セフレはたくさんいたけど……こんな気持ちになるのは初めてだ。
だったら。
だったら尚更、何とかしてやらねーと!
「……今度『コーチク』に行く時、私も一緒に行きたいんですがね、どうでしょう?」
ニヤニヤしてた近藤が初めて口をきく。
「は?」
「今後の後学の為に是非とも。
お邪魔はしませんよ、別の子猫にちょっと話を聞くだけ。」
「却下!
そーじゃなくても、店主に目付けられてんのに!」
「ダメですか?」
だから!
どうして先輩の方見るんだ!
「連れてってやれよ、晴。
本当は俺が付いて行って、危なくないかどうか見定めたいんだが……那月がな。」
「那月くん、放っといたらいけませんよ!」
「だから、近藤に行って危なくないか見て来てほしいんだ。
良いだろ、近藤?
それくらい?」
「もしかしたらスクープの匂いがするんでね、連れて行ってくれるなら何でも。」
「『コーチク』を記事にするのはダメ!」
「だから、そこは匿名で店の名前も偽名。
まぁ記事になるかならないかは、微妙だけど。」
嫌なこった!!
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