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52 《近藤》
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《近藤》
コーチクに行くのはどうしてもダメ!
と言われていたが、守谷の口添えで行ける事になった。
「先輩に拝まれたから、だからな!
本来は来て欲しくないんだよな…。」
ぐちぐち晴が言ってる。
「一応高岡に紹介しとくよ。
俺は店主の受けが悪いしなー。」
「受けが悪い?
なんで?」
「変わった客扱いなんだよっ!」
『コーチク』に行く前に寄った店で、高岡という人物を紹介される。
「こいつがさ、コーチク是非行きたい!って言うんで連れて来た。紹介してもらえないかな?」
「あ、する!する!
名刺渡しとくし!」
いそいそと名刺をくれた。
これは紹介したら幾らかもらえるな。
良くある事だ。
「嬉しいなー、気にいって貰えたんだ!」
今度は晴に向かって言う。
「あー、まぁ、ねー。
ありがと。」
「いつでも言ってくれよ!」
「んじゃ、別行動、って事で!
出来たら別の日に行ってくれ。じゃ!」
店を出たら速攻で晴が言う。
お気に入りの場所を人に知られるのが嫌か。
まだまだお子ちゃまだ。
揶揄ってやろう。
「早い方がいい。
ていうか道を知らん。」
「えーー!!」
「守谷に言われたんだろ?」
嫌そうな顔して渋々案内する。
此処、か。
「こんばんはー!
ズグ、帰ってきました?」
「……いらっしゃい。
その方は?」
店主だろうか?
「あー、こいつは高岡の紹介で。」
促されて名刺を店主に渡した。
「知り合い?」
「あー、何というか…まぁその知り合い、かな?」
店主は俺の事をジロリと値踏みするように見る。
「そんな事より!
ズグ帰って来ました?!」
「あー、ズグね。
帰って来たんだけど、またレンタル中。」
「えーーー!!!」
「悪いわね。一足遅かった。」
「そんな〜……!!
また来るって言ったのに……」
おやま、ガッカリ感が半端ない。
「それじゃ、他の子猫で……って、そーゆー雰囲気じゃないわね?」
店主を恨めしそうに見てぶつぶつ言ってる。
「ズグ、元気でしたか?
その傷とかは付いてませんでしたか?」
「何?
他の客の事詮索しようとしてるの?!」
店主の目が光る。
「滅相もない!ただ心配で……。ズグ〜……」
恨みがましい顔でぐだぐだと言ってる。
「あーもう!!
わかった!わかった!
今度は特別にレンタルOKにするから!」
「ほんと?!!」
「ただし別料金よ。」
「いい!いい!ありがとうございます!!
何処に連れて行こうかなぁ!
うん、今日は一旦帰ります。
ズグ帰って来るの明日ですか?」
「三日後。」
「じゃあ三日後に!
あ!その前にズグがいい、って言う人あったら予約済み、って言って下さいよ?!
約束ですよ?」
処置なし、と言うように店主が肩をすくめた。
なるほど。面倒な客だ。
「ハイハイ。
三日後のご来店をお待ちしてます。
お客さんは?
一緒に帰る?」
「いや、遊んで帰ります。」
「そう。」
「じゃあ。お疲れ。」
晴が俺に向かって言う。
それに手を振る。
「それじゃどんな子猫がお望みですか?」
「うん、そうだな……」
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