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《晴》
今日!
晴れてズグに会える!
しかもレンタル出来る!
レンタルって言う言い方はちょっとなー、と思うけど……。
しかも今日は金曜日。
月曜日は有給取るかも、と言ってあるので、三日、悪くとも二日間はズグと一緒だ!
何処へ連れて行こう?
何を食べさせよう?
ズグはきっと何でも初めてで喜んでくれるに違いねー!
「晴、仕事しろ!仕事!」
「手に付かないっす、先輩!」
「莫迦か、残業になるぞ!」
「それは嫌!」
結局、仕事は手に付かず呆れた先輩がフォローしてくれた。
ありがたや、ありがたや。
終業時刻、勇んで飛び出した俺に背後から声が掛かった。
「なんだ、近藤か?」
近藤は黙って手を上げる。
「ちょっと話がある。」
「何だよ?
今はダメだ、急ぐ。」
「ズグの事でもか?」
「え?」
近藤の顔をマジマジ見る。
近藤の表情は読めない。
だが何か掴んだのは間違いねー!
うーー!!
気は急くがどうせ開店まで時間あるしな。
手近な喫茶店に入った。
「言えよ。
ズグが何だって?」
「まぁ、そう焦るな。」
近藤は、呑気にコーヒーを飲むと話し始めた。
「コーチクの事、いろいろと聞いて来た。
なかなかにヤバい店だぞ、あそこは。」
「それは、売春斡旋してる時点でヤバいだろ。」
「それだけじゃない。
雇われた時点で、思っていたのと違うと辞めようと思っても、場所代や準備期間料でお金で縛って辞められない。
客の支払った料金から、子猫が受け取るのは雀の涙らしい。
それとバックにはコレが付いてる。」
近藤が手で、頬に傷を付ける真似をする。
つまりはヤクザ?
「あー、でもその手の店にはあり得る事……」
「ま、そりゃそうだけど。」
「んで?
スクープにするのは止めたってか?」
「何が?
そうでなくちゃ面白くないだろ?」
近藤のすっとぼけた顔。
まぁ度胸だけはあると認めよ。
「肝心のズグの話は?」
「あーそうそう。
プラムって言う子猫の話によると、3ヶ月くらい前に突然住み込みで現れた子猫がいる、ってさ。
変わった髪の色で見た目も幼い。
店主がその子をいつも叱ってお仕置きしてる。」
ズグだ!
「子猫同士は店主が嫌がるからノータッチだけど、店主がバーテンダーに話しているのをチラッと聞いた所、コイツは無国籍、って。」
「はっ?」
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