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《晴》
もう我慢出来ない!
バーデンダーが止めるのを振り切り、不意を突かれた用心棒を擦り抜け上に上がった。
一目散にズグの部屋と言われてる物置に向かう。
そこで見た光景は、毛布被って丸く蹲ってるズグと怒ってそのズグを引っ張って打とうとしてる店主。
顔は隠れて見えないが、ズグの嗚咽が聞こえる。
「ズグッ!!」
突然の大声で店主が何事か、と振り向くが知ったこっちゃない!
その瞬間にズグの顔が上がった。
「あーーっ!!」
しゃくり上げながら起き上がって、俺にぶつかるようにむしゃぶり付く。
「だから言ったろ!
飴くれた客だ、って!!
もうっ!!世話かけるんじゃないよ、全く!」
ぶつぶつ店主が言うが、ズグも俺も聞いちゃいない。
「ズグ、会いたかったーー!
元気か?」
何を言ってもズグは俺の後ろに隠れたまま、ピトと背中に顔を埋めて動かない。
こっちはズグがあの痩せた男に何かされたんじゃないか、身体は大丈夫なのか心配で堪らないのに、後ろだったら見えないっ!!
「さぁ、準備するから!
お客さんは下に降りて。
ズグ、離れなっ!」
店主が後ろに周りズグを引っぺがした。
「ぅーー……」
店主に隠れてズグが見えねー!
ただ、店主に逆らうのはヤバい。
ズグを連れ出せなくなりそうだ。
「今日はお出かけのOK貰ったんだ。
ズグ、下で待ってるからな?」
心残りだがしょうがない。
「あー!」
ズグが店主の陰から手を伸ばそうとする。
「この莫迦ズグッ!」
振り返って店主がズグを平手打ちにした!
「ふぇ……」
「ズグ!ママさん、そんな手荒な…!」
「お客さん、早く行って下さい!
さあ、用意するんだよっ」
バタンッ、とドアが閉まった。
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