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《晴》
「ズグ?」
よろめいたのを支えると笑顔で縋り付く。
2、3歩行ってはフラフラとよろめいて、とうとう俺の手掴んだまましゃがみこんだ。
なのにズグはニコニコしてる。
「ズグ?どうした?」
薄暗い裏道。
とりあえずズグを抱いて裏道を抜けタクシーを拾う。
「あー……。」
ズグは乗るのを怖がって嫌々した。
「大丈夫。俺が居るからな?」
ズグは車の中でも目を瞑ったまま、俺にしがみつく。
ズグ、震えてる?
背中を摩ってやると縋るように俺を見た。
「大丈夫だよ?」
運転手に聞こえないようにそっと囁く。
マンションに着いた。
ズグは車から降りると明らかにホッとしたようだ。
辺りに人気はないし、抱いてエレベーターに乗る。
「さぁ着いた。」
ズグをソファに下ろして明かりを点けた。
ズグは急に明るくなった室内で、パチパチ目を瞬かせる。
「お腹空いてないか?
まず飯にしような?」
「あー?」
「飯だよ。ご飯にしよう。」
ご飯と聞いてズグの目が輝いてた。
「あー!あー!」
「わかった、すぐに……ん??」
ズグの首の周りに鬱血したような跡?
明るい所で見ると、店主に平手打ちにされた跡のほかに何やら頬が腫れぼったい?
暗いし、ズグ痩せているから気付かなかった!
「ズグ!どうしたんだ、それ?!」
首の周り押さえて言うと慌てて首を振る。
「まさか、誰かに絞められたのか?!」
ズグは目を閉じて一心に首を振った。
「あ…ああ、悪い。
責めるつもりじゃないよ?
そんなに首振ったら、気持ち悪くなるよ。
大丈夫、ご飯にしような?」
跪いて覗き込む。
「ぁー…….」
「うん。待っといで、すぐだよ?」
ぽんと頭を叩いてやると、ニッコリする。
ズグが俺に付いて行こうとするのを押し留め、手早く用意してあった食材を温め始めた。
……アイツだ。
あの痩せた男の仕業だ!
ギリリと唇を噛む。
ズグに背を向けていて良かった。
鬼の形相になってただろう。
この分じゃ身体も傷付いてる。
いや、ヨロヨロなのもその所為に違いねー!!
ズグ……….!!
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