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67 《一時》
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《一時》
日曜日。
那月と2人でまったりしてると、晴から電話が掛かる。
聞けば、那月の服を貸して欲しい、との事。
近藤の言う通り、どうやらその子レンタルしたらしい。
仮にも人をレンタルなんていうのは抵抗があるが。
「初めまして、だな。
よろしくズグくん?」
その子は険しい顔で晴の陰に隠れて、じっと見てる。
怖がられたか?
「あらら……ズグー、先輩は怖くないよ?
先輩も、ほら!笑顔!笑顔!
那月くんの時にしてるみたいに!」
とりあえず笑顔のようなモノ浮かべてみた。
「先輩……気色悪いっす……」
「晴、笑顔に見えなかったか?」
「……努力は認めます……」
そうは言っても、那月と一緒の時どんな顔してるのかわからん!
うーうー唸ってたら、晴が笑い出した。
「先輩ってほんとカワイイ。」
その子は笑ってる晴と俺を交互に見て困惑してる。
「ぁー……?」
「ああ、悪い悪い!
先輩は服、貸してくれたんだよー。」
ぽんぽんと晴がその子の頭を撫でる。
「服、2.3枚持って来たぞ。
序でに下着と靴下。」
「助かります!」
「多少は大きいかもしれんがな。
実は那月が言ったんだ、下着は新品の方が良いから、ってな。」
「道理で、先輩にしては気が効くと……」
「あのな。」
「嘘嘘!先輩ありがとうございます!
那月くんにもありがとうって伝えて下さい!」
晴め、浮かれてんな。
まぁ無理はない、せっかく店を離れられたんだから。
「で?この後予定は?」
「ズグ調子悪いみたいなんで
なるべくいい加減そうで、それでいて腕の良い医者居ませんか?」
「は?
ズグを診せるのか?」
「はい。
前の客に酷い事された様なんで。
かと言って公にされたら……。」
「公にされた方がズグの身の安全は保障されるぞ?」
「あの店主だったら、その辺は上手く言い逃れると思う。あ!それとバックに危ない人たちも付いてる、って近藤が言ってたし!
そうなりゃ俺は出禁でズグに会えなくなる!
そうすりゃズグはあの痩せた客が買い占めるわけで……うわぁー!!ダメ!ダメ!そんな事許せん!!」
ズグに会えなくなるのが辛い、のか。
気持ちはわかる。
俺だって那月に会えなくなった時は、那月の事しか考えられなかった。
とは言え、このままで良いわけない。
そこら辺は晴もわかってるだろう。
まぁとりあえず、近藤が探ってくれてるのを待つしか無いか?
ああ!近藤なら医者に心当たりがあるかもしれない。
「……その辺りの事は近藤に聞いた方がいい。
待ってろ、連絡してみる。」
「ゲッッ!!近藤ーー?!」
晴が顔を顰めた。
だから、なんでそこまで嫌うんだ?
近藤はすぐやって来た。
「紹介だけだったら電話でも良かったのに!」
晴が文句を言うのを慌てて取りなした。
「まぁまぁ。
近藤、悪いな。
せっかくの休みに?」
「いえいえ。晴の恋人見に伺いました。」
近藤は別に気を悪くしたような風でも無く、ジロジロとズグを見つめる。
「見ーるーな!減る!」
晴がガウッ!と怒って、ズグを隠す。
「もう見たし。」
近藤が晴を茶化す。
子供か、お前らは。
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