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68 《近藤》
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《近藤》
ふうん。
これが噂の晴の恋人か。
見た目は確かに可愛い。
変わった髪の色して、彫りが深い顔立ち。
真っ直ぐな目で晴にくっつきながら、守谷と俺の事を興味津々で見てる。
あどけない幼さの中に、ふと妖艶さが入り混じる。
でもプラムは18以下の子はいないと言ってたが、明らかに幼いだろ、これ?
「で?
医者の心当たり有るのか?」
守谷が話しを引き戻す。
「うーーん。
医師に虐待の可能性有りと判断されたら
報告義務があるんで、真っ当な医者は難しい。
那月くんを診た医者はどうか、と思ったんですがね、そうなれば父親も知る事になるしそれも没。」
「じゃあ、ダメじゃん。」
「本当は金積めば見逃してくれる、もしくは関わり合いたくない医者もいるけど
でも、それを今からリサーチするのは難しい。
そこで、腕はいいけど隠れてひっそりと営業してる奴に心当たりが。」
「それ良い!」
「ただし、無免許。」
「げっ!!」
「コレもんの情婦とか、金がないウリやってる学生とか診てる。
まぁ闇医者にしてはリーズナブルだし。
どうする?
そこで良ければ連絡する。」
晴に聞いたら考え込んでしまった。
「どうしてそんな知り合いがいる?」
守谷が聞いて来た。
「調査してたら、そこの女性が罹ってた医師がそれだったんですよ。」
「スクープには、しないのか?」
「もしそいつをスクープにしようと匂わせたら、あっという間に影も形もなく何処かに消える。
そういう勘がするんで。
それに患者の事に関しては口が固いけど、それ以外は色々情報くれる。
結構重宝してます。」
どこの世界でも医者は必要不可欠。
闇医者でも腕の良い奴はなおさら。
しかもこの闇医者は、ノリが良くてヘラヘラしてる。
晴とは気が合いそうだ。
散々迷っていた晴がやっと言った。
「……決めた。
その医者、紹介してください。
何にせよ、ズグこのままにしておけない。」
「……あー……?」
言葉と裏腹に不安げな晴をズグが問い掛けるように見てる。
純粋な目。
その目はアウトだろ。
晴が首ったけなのがわかるような気がする。
「まあ、心配しないで良いよ?
お固い先生じゃないし。」
安心させるように言ってから、闇医者に連絡する。
「行ってもいい、って?もしそうなら車貸すぞ?」
守谷が聞いてくる。
「それが、往診出てるからついでにここに来て診たい、んだそうですよ。」
往診に来てる事は、闇医者の性格から言って本当だろうが、本拠地を知られない為でもある、か。
なるほど。
飄々としてるようでも裏で生きてきた奴だけある。
「此処、教えても良いか?晴?」
「うん、頼みます。」
どうやら晴が吹っ切れたらしい。
「わかった。」
闇医者にそう連絡したら、一時間後に行くと言われた。
「まぁ、ともかくは良かったな、晴。」
「はい、先輩…
あ!ちょっと!近藤!何してる!?」
何、って、ずっと気になっていた事がある。
それを確かめるチャンス。
俺はズグに近付いた。
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