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74 《仔猫の過去》2
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女が死んだ。
病んでたのに、無理にSEXさせられてSEXの途中で息が止まった。
その日も雨が降っていた。
「チッ!
使えねーなっ!」
男がぶつぶつと文句を言って、電話を掛ける。
まもなく数人の男がやって来た。
「とうとうくたばっちまいやがった。
始末をしろ。」
数人の男達が裸の女をぞんざいにスーツケースの中に入れた。
泣くでもなく仔猫がじっと見てる。
「そのガキは?」
「ああ、その女のガキだ。」
「え、まさか」
「ちげーよ。
ガキ連れの女だったんだ。
ガキを始末しようとしたら、女に懇願されて終いにゃガキ殺すんだったら私も死ぬってな。」
「へー、その女にそうとう惚れ込んでいたんですね。」
「あー、まあな。」
「で?
どうします?
厄介だから始末しますか?」
「女曰く、知能が足りない、ってさ。
つまりはバカ。
まあ生かしといても俺に危害が及ぶ訳ないし、売ったほうが金になるってもんだ。
見てくれは可愛い顔してるし、意外と好きものが喜びそうだ。」
「わかりました。
そう手配します。
でも、女が死んだっていうの、わかって無いんですかね?」
「ああ。
バカだからな。」
男は汚い物でも見るように言う。
雨が降る中、女を入れたスーツケースが運ばれる。
「おい、ガキ!
手配が済むまで、ここで待ってろ!」
そう言われて、扉が閉まり鍵を掛けられた。
「……あーー……?」
扉の所に行き、優しい人を呼んでみる。
「あーー……?
あーー?」
幾度呼んでも、答える声は無い。
「あー?
あーー?」
いつもなら、『どうしたの?』って聞いてくれるのに。
ねぇ、どうしたの?
何が起こったの?
くたばる、って何?
死んだ、って何?
「あーー?!
あーー?!!」
仔猫はいつまでも鳴き続ける。
雨と仔猫が泣き続ける声がいつまでもいつまでも響く。
翌朝、疲れ果てて扉の前で丸くなり眠ってしまった仔猫を見つけたのは、若い男だった。
「チッ!こんなとこで寝てやがる!
おい!起きろ!!」
いきなり大声出されて、仔猫はびっくりして飛び起きた。
優しい人、帰って来てくれた?
キョロキョロ見回しても、大声出した人しかいない。
「何だよ〜?
何か不満でもあんのかー、こらっっ?!」
男は首根っこ掴んで怒鳴りつけた。
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