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85 《晴》☆
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《晴》
ピンポーンと玄関で音がした。
誰だろう?
「あー?」
「うん、ちょっと待ってな?」
「うー……」
「すぐだよ。すぐ戻る!」
スイに言い聞かせて玄関先まで出る。
「はい?」
「お届け物です。ハンコお願いします。」
なんだ、届け物か。
この間ネットで買った奴か?
「ご苦労様で…ぅわ!!!」
言い終える事が出来なかった。
いきなり口を押さえられ、ズカズカと入り込まれて鍵を掛けられる。
「!!」
目を見開く。
コーチクに居た用心棒!
口を押さえつけたまま、壁際に押しつけられる!
用心棒だけじゃない!
あれは……!!
「ずいぶんと舐めた真似してくれるじゃない?」
コーチクの店主!!
「ウぅ……っっ!!!」
用心棒はクシャクシャに丸めた布を俺の口に押し込んだ。と同時に思い切り腹を3,4発殴られる!
「ウゥ!ウグッッ!!」
倒れたところに、背と言わず腹と言わず続け様に殴られ蹴られる!
殴られて呼吸が出来ない。
意識が遠くなる……
スイ……
ス……
いきなり冷たい水をぶっかけられた。
「ズグはもらって行くわ。
以後当店には出入り禁止。」
店主の冷たい声が、頭上から聞こえた。
「……な……んで……」
有難い事に口に押し込まれた布は、取り除かれてる。
その代わり両手両足縛られてるけど。
「なんで……此処が……」
掠れ声しか出ない。
「ズグ贔屓のアンタはハナから怪しいと思ってたんだ。
怪しい奴にレンタルする時には念には念を入れるのよ!」
何処にそんな……?
ダボダボのスェットにはそんな物……
あ……!
「そうよ。
一つはズグが履いてたつっかけ。
つっかけの中にGPS。
ズグは金になるからね。
その日のうちに此処がわかった。
ま、後もあるけどそれは内緒。
言っとくけどこの先ウチの店に関わったら、こんなもんじゃ済まない。
肝に銘じておく事ね!」
スイ!
「スイは……!!」
「すい?
誰の事?
ちょっと!用は済んだよ。
帰るよ?
あー?ソレ、殴った?」
「アーアー煩いんで、つい。」
「ま、いいわ。
ほら!!!さっさと行くよっ!!」
「……スイ!!」
頭を苦労して持ち上げると、スイが真っ裸でおまけに両頬腫れて口から血を流してる。
店主がグイッとスイの耳を引っ張って立たせる。
「アー……!!」
「この…!また殴られてぇのかっ!」
用心棒が叫ぶ。
「止めろっ!
スイに手出すなっ!」
店主が嘲笑う。
「スイ、だって?
ズグの事だったんだ!
ズグがスイ??
はっ、笑わせんな。
コイツはズグ。
グズのズグ。
グズでゴミでどうしようもない。」
店主が耳を引っ張って、俺の前にスイを見せる。
「ズグ!
よく見ときな!
私に逆らう奴はこうなるって!」
「ああーっっ!!」
スイが俺を見て、手を伸ばす。
「あっ!あっ!!」
「スイ!」
「煩いね!黙らせな?」
用心棒がうっそりと出て、スイの腹を殴る。
「ウエッ…….!」
「止めろっ!!
止めてくれっっ!!」
涙でグチャグチャになっても、殴られてもスイは手を伸ばすのを止めない。
「あーーっ!!あーーっ!!」
スイ。
抱きしめたい。
殴られるのを代わってやりたい!
なのに
なのにどうして
どうして?!
俺は両手両足縛られてるんだ?!
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