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88 《一時》
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《一時》
ズグは返さない、と晴からメールが来た。
いや、スイ、と名付けたんだったな。
仕事休むので頼みます、と。
返さないような予感はしてたが……
人の事は言えたもんじゃないが、スイはいろいろと問題有りだぞ?
惚れたんなら仕方ないと開き直りそうだが、これからの事とかどう思ってるんだ?
ダメだ。
仕事していても気になる。
やっと仕事が片付き、連絡を取ろうとしたが、
電話に出なかった??
帰り道、晴の家へ行く。
晴の事だから、
『せんぱーい……寝てるとこ邪魔しないで下さいよ〜』
とか
『電話に出なかった?
あー、今さっき、その……シテたんで〜』
とか言いそうだが。
晴の家に着いた。
玄関のドアが開いてる?
「晴?
晴いるのか?」
しんと静まり返った薄暗い家の中。
「?入るぞ?」
電気を付けて思わず声が出た!
「晴?!!」
ズタボロの晴が手足を括られてる!
「晴っ?!
晴、しっかりしろっ!!」
慌てて駆け寄り、肩を揺する。
「ウ………」
どうやら意識を失っていたらしい。
「晴?しっかりしろ?
俺がわかるか?」
晴の括られた手足を解いて、ソファに寝かせるとだんだんと頭がハッキリしたらしい。
「……せ…んぱい?」
声も酷く掠れて口が切れてて喋りにくそうだ。
全身ボコボコにされてる。
「そうだ、守谷だ。
一体これはどういう事だ?
誰にやられたんだ?」
「ウゥ……
そうだ!
スイ……!!」
晴がヨロヨロと起き出した!
「ダメだ!横になってろ!」
「そんな事言ってられない!
スイが…!!
ウ……ッッ!!」
腹を抱えて蹲る。
ほら見ろ、言わんこっちゃない!
「落ち着け!
スイがどうした?」
焦る晴から聞き出した所によると、スイはコーチクに連れ戻されたようだ。
「早く!早く助けに行かねーと……!!」
「ダメだ!
医者に罹るのが先!」
「そんな事…!」
「どう足掻いても一人で歩けないような奴に、助けに行けるはず無いだろ!」
「………うぅ………」
晴がガックリ肩を落とした。
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