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91 《近藤》
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《近藤》
守谷と待ち合わせをして晴の家に行った。
「守谷さん!お帰りなさい!」
那月君が笑顔で出迎えてくれる。
しっぽ振ってる仔犬のようだ。
「近藤さんもお帰りなさい。」
「晴の見張り、ご苦労様。」
「見張り??」
俺の言葉に那月君が首を傾げた。
見張り以外の何物でもないだろ?
守谷が咳払いをする。
余計な事は言うな、って?
了解。
寝室に行くと晴が、守谷が入って行った時は嬉しそうな顔する癖に、俺が入って行くと明らかに嫌そうな顔をする。
「げっ!近藤!
何しに来たんだ?」
「……ボコられた姿眺めに。」
「帰れ!」
これだから晴を揶揄うのはやめられない。
「晴、具合はどうだ?」
守谷が取りなす。
「あ、朝より全然いいっす!
これも那月くんの看病のおかげ!!」
一番最後に入って来た那月君が、赤くなる。
「浅瀬、ご苦労様。」
「はい!」
どうやら仕事の時は浅瀬と呼ぶらしい。
ご苦労なこった。
そんな事しなくても、同棲だって言って堂々としてれば良いのに。
「そうか。今日はもう仕事はお終いでいいぞ?
………疲れなかったか?那月?」
「はい、一時さん。ちっとも!」
那月くんが嬉しそうに言う。
こちらは守谷さん改めてかずときさん、か。
まるでおままごと。
ま、見てる分には微笑ましいけどね。
「那月、晴と仕事の事で話しがあるんだ。
一緒に帰るからちょっとリビングで待ってて来れないか?」
「はい、一時さん。」
何の疑問もなく那月君が寝室を出る。
守谷が晴に向かって改めて言った。
「晴、近藤にも協力してもらってるんだから帰れは無いだろ?
それにコーチクの情報は近藤にしかわからないし。」
「うーー……」
晴がチラッと俺を見る。
「………スイ、無事なのか…?」
「スイ?」
「スイって名付けたの!
文脈から言ってわかるだろ?」
「あー、ま、今のところ動きは無いな。
連れ帰って監禁されてるっぽい。」
プラムから連絡受けたのは、
2階から子供みたいな泣き声が聞こえる事と、用心棒が折檻して傷物にしたらどうする!と店主がカリカリしてる事。
プラムは泣いてた。
あの子が可哀想、って。
ま、今は折檻の事は言っても仕方がないな。
どうする事も出来ないし。
晴が頭に血が上り何するかわからないし。
「情報者から何かあれば連絡ある。
ま、焦っても仕方ない。」
「うーー……!」
守谷が晴に言う。
「晴……警察に任せよう?
あの子はどう見たって未成年だ。
それに売春まがいの事もしてる。
叩けばホコリも出てくる。」
「先輩!それは嫌っす!」
守谷が言う事も最もだ。
ただ俺としてはスクープになるかもしれないのに、それをみすみす逃すのは嫌だ。
ここは、晴に加担するか?
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