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契り 27
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「亜矢ッ、ごめん……ごめんッ……」
いつも独りよがりで、亜矢の本当の心にまったく寄り添えていなかった。自分の不甲斐なさに嫌気が差す。
「悪かった……こんなに、辛いことを話させて……。俺は亜矢を泣かせてばかりだ。最低だ」
亜矢は胸に顔を埋めたまま、勢いよく首を横に振った。
「結月さん……僕、初めて結月さんにキスしてもらったとき、すごく幸せだったんです。
今までこんなに愛を感じたことなかったから……だから」
そっと涙に濡れた顔を上げ、俺を見つめる。
「ずっと思ってたんです。あの時、初めて抱いてくれたのが、結月さんだったら良かったのに、って。もう今更、いくら思っても無駄なのに……」
紅い唇が紡ぐその言葉に、心臓がゴトリと音を立てた。
「無駄なんかじゃ、ない」
「っふ……ッ……!」
気がつくと亜矢の顎を持ち上げ唇を押し付けていた。
性急過ぎる、と頭の片隅で思っても、昂る感情が抑えきれない。
柔らかな唇を触れるように舐め、歯列をなぞり、一瞬の隙を突いて舌をねじ込んだ。
「っゆ……んっん……」
驚きのあまりか逃げ惑う舌を半ば強引に攫う。
暫くすると、亜矢はふっと力を抜き、素直に舌を絡めてきた。
榛色の瞳は恍惚として潤み、唇が離れるたびに甘い吐息が漏れ出す。互いに抱き合ったまま、心が揺さぶられるほどの甘い口づけを交わした。
「悪い、いきなり……」
唇を離して直ぐに謝り、亜矢を見ると、くたりと頭を垂れ、肩で大きく息をしていた。
濡れた唇を指の腹で撫でてやると、ビクリと肩が跳ねる。
「亜矢?だいじょ――」
「っ僕、変っ……」
遮るように言った亜矢は、やや前かがみの体勢になっていた。みるみるうちに首まで真っ赤にしたその様子を見て、下半身の異変に気づく。
「――そんなに気持ち良かった?」
亜矢は頬を紅潮させてコクリと頷いた。その素直な反応があまりにも可愛くて、思わず口元が綻ぶ。
「……亜矢。今までの行為は、本物なんかじゃない。君が今、どんなカラダであろうと構わない」
肩を引き寄せ、再び腕の中に閉じ込める。薫る濡れ髪にキスを落とし、耳元で告げた。
「すべて忘れさせて、これからは、俺だけにしか感じないカラダにしてやる。……約束だ」
愛した以上、責任を取りたい。
本当に愛されていると心の底から思ってくれるまで、俺は何度でも、君を抱くから……――
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