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二章 4
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ミハイルが満足げな表情をしてニコライに軽く接吻する。
「よかったよ」
「……気持ち悪い」
ニコライは小さくそう応えた。それを気にするでもなく、ミハイルは彼の顔に付着した精液を自分の指に僅かに絡める。
「脚、開きなよ」
「は?」
ニコライが反応する間も無く、ミハイルが力の入っていなかった彼の両膝の間に自分の膝を入れ、一気に開かせた。
次に悪魔が何をするのか予想がついたニコライは、怖くなって脚を閉じようとする。しかしその無駄な行為は悪魔を悦ばせるだけだ。
「頭が良いのに無駄な抵抗はするんだね? コーリャ」
そう言ってミハイルはニコライの後ろの孔に精液の付いた指を押し付ける。その冷たさに彼は体を少し仰け反らせた。
「や、それだけはやめてくださっ……うあっ!」
嫌がる彼の言葉も意味を成さず、ミハイルの人差し指の先が体内に侵入する。その痛みに彼は体を強張らせた。
「い、痛っ……やだ、抜いてください……、くっ!」
「力入れるから痛いんだよ。力を抜いて、ゆっくり呼吸して」
ミハイルの指は尚も深くまで入ろうとしてくる。
ニコライは少しでも苦痛を軽減させようと、彼の言う通りに力を抜いた。その瞬間、確かに痛みは和らいだが、彼の指が更に奥へ差し込まれた。
「ううっ! や、抜いてっ……嫌です、お願いっ……」
誰にも触られたことの無い場所に入ってくる、悪魔の指。ニコライは痛みより大きな恐怖を感じた。これ以上この悪魔に体を弄られてはおかしくなってしまいそうだ。
だが、無慈悲にも悪魔は中指も中に挿れようとしてくる。
「コーリャ、また力入ってる。俺は無理矢理でも君の中に挿れられるけれど、それで痛いのは君だよ」
「挿れないでくださいっ」
「それは無理。でも俺は今、君を傷つけたいわけじゃないんだ。力を抜いて」
ミハイルの大きな両目がニコライの泣きそうな顔を見つめる。
ニコライの精神はどんどん追い詰められていた。悪魔に好き勝手に体を弄られ、プライドが瓦解していく。それでもこの悪魔に従うしかないのだ。
「く、あっ……」
力を抜いたニコライの体内に、ミハイルの二本目の指が侵入した。関節がやや太めのミハイルの指は、彼の敏感な開口部に刺激を与える。
ニコライの中を探るように動く二本の指。その異物感に、彼は顔を顰める。
「う……気持ち、悪いです」
「我慢して。力、大分抜けてきたね」
ミハイルの二本の指は根元まで完全に入っている。そしてその指は何の意味も無く動いていたかといえば、そうでは無かった。
体内のある一点、前立腺を指先は探り当てた。ビクン、とニコライの躰がその刺激に大きく反応する。
「あっ……?! 何、ああっ!」
「ここだね。前立腺っていうんだよ。知ってるかな?」
「やめて、くださいっ……んあっ」
ミハイルに執拗に前立腺を攻め立てられるニコライ。全身を強い快感が駆け抜け、陰茎は固く勃起してきた。
その快感すらもニコライが怖がることは、ミハイルも分かっている。
「気持ち良いでしょ? ほら、勃ってきた」
「んっ、何でっ……!」
触られたのは後ろの孔だけなのに勃起してしまったことにショックを受けるニコライに、ミハイル。
「俺、後ろだけでイっちゃったこともあるんだ。まぁ君はそこまで感じやすくはないだろうけれどね」
さっき自分の指を体内に挿れ、嬌声を上げていたミハイルを思い出す。あれと同じにはなりたくないと、ニコライは思った。
彼の前立腺を刺激しつつ、ミハイルは更にもう一本指を中に挿入した。
「うん、いい感じ。かなり解れてきたね」
「んあ、そんなこと……ないです」
「気づいてる? もう俺の指、三本入ってるんだよ」
「えっ?」
前立腺への刺激で受けていた快感が大きくて、三本目が入っていたことに気づいていなかったニコライ。驚く彼に、ミハイルは言う。
「そろそろ良さそうだね」
そして指を体内から引き抜いた。次に何をするかなんて明白だ。
ニコライは涙目で首を横に振る。
「嫌ですっ、お願いですからやめてくださいっ!」
「大丈夫、ちゃんと解したからそんなに痛くはないと思うよ」
「そういう問題じゃありません!」
「処女くらい、自分の命に比べれば安いもんだと思わない?」
「あなたに犯されるくらいなら死んだ方がマシです!」
ニコライがそう叫ぶと、ミハイルは浅く溜息を吐いた。自分の半分勃起している性器を手で軽く扱く。
「そう言われると、尚更犯したくなる。思いっきりさ。俺を受け入れなよ、コーリャ」
愉しんでいるのか怒っているのかわからない、笑顔のポーカーフェイス。その悪魔の美しさと恐ろしさに、ニコライは固まった。
晒されている彼の孔にミハイルの性器の先端が押し付けられた。
「嫌っ……」
「痛いのが嫌なら力抜きな」
ズッ、と容赦無くミハイルの性器がニコライの中に侵入する。指を上回る圧迫感に、ニコライは息を詰まらせた。
「痛っ…………うっ、ああぁ……」
元々解されていたので、力を抜けば確かに痛みは少ない。しかしその異物感と自分の体内に性器が入ってくるという未知の恐怖がニコライを襲った。
ミハイルは挿れながらニコライの唇に軽い接吻をする。
「凄い。あんまり締め付けすぎないで」
「無理ですっ、うぅ……」
開口部が性器に押し広げられ、本来そこに入るべきではないものがどんどん奥へと入っていく。
「全部入ったよ。君は俺のモノだ」
「……そんな……」
遂にニコライの両目に溜まっていた涙が溢れた。悪魔に犯された。完全に貞操を奪われてしまった。
悪魔の陰茎が自分の中で脈打っている。生物とは思えない程に美しい外見をした悪魔の生々しい欲望を直接感じる。気持ちが悪い。
手でニコライの涙を拭うミハイル。
「可愛いね、コーリャ。まさか誰も君が俺とセックスしてるだなんて思わないんだろうね」
ズンッとミハイルがニコライの奥を突き上げ、ニコライは強く彼を締め付ける。
「ああっ」
「ここ突かれると、最高でしょ?」
何度も何度もニコライの前立腺を突き上げるミハイル。腰を動かしながら天使の桜色をした唇に深く唇を重ね、舌で口内を蹂躙する。
苦しさ以上の快感を与えられるニコライ。確実に前立腺を刺激され、屈辱もプライドも忘れてしまいそうなくらいゾクゾクして気持ちが良い。その気持ち良さが怖くもあった。
ミハイルの唇がニコライの唇を離れ、唾液が銀色の糸を引いた。
「コーリャの中、いいよ」
そう囁き、彼はニコライの性器を握る。それはもう勃起し、尿道球腺液まで溢れさせている。
「んああっ……そっちはっ…………」
前立腺と性器を同時に刺激され、ニコライは堪らず上擦った声を上げた。
ミハイルは腰を動かし彼の奥を突きながら器用に性器も扱く。あまりの快感に彼の腰は僅かにベッドから浮いていた。完全に無意識なのだろう。
二人の男が上で性交しているベッドが軋む音が、男の息遣いが淫らに部屋に響く。
彼に性的刺激を与えるミハイルの方も、絶頂が近くなっていた。
「ああ……俺、もうイキそう」
「…………っ、中ではやめてくださ、んああっ……」
「やだ、コーリャの中に出したい」
「駄目ですっ……、あ、うああっ!」
「んっ……」
ミハイルに亀頭を爪で刺激されたニコライが先にオーガズムに達し、その後ミハイルが彼の中で達した。
ニコライの精液がミハイルの手に流れ落ちる。射精の衝撃と悪魔に中出しさせてしまったショックで彼の頭は朦朧とした。
ズルリ、と悪魔の陰茎が彼の体内から抜かれた。呆然としている彼の唇に、ミハイルは幾度目かのキスを落とす。
「よかったよ。予想以上だ、君の体は」
そして彼はニコライの中に指を差し込んだ。さっきまで陰茎を飲み込んでいたそこは、すんなりと二本の指を受け入れる。
「掃除しといてあげるよ」
「…………」
何も映さない目でミハイルの様子を見ているニコライ。そこに出された精液を掻き出されても、何も言わなかった。体だけは時頼刺激に反応した。
二人の精液はティッシュで拭き取られ、ニコライの両手に付けられた手錠は外され、代わりに左手のみがベッドに繋がれた。
ニコライは茫々とミハイルを見て、僅かな涙を流し続けていた。
「暫く休んでいていいよ」
全ての処理を終えたミハイルは、そう言って寝室から出て行ってしまった。
薄暗い悪魔の部屋に残された天使は、静かに双眸を閉じた。
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