アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
28
-
全てのリミッターが外れたとでも言わんばかりに、朝倉は腕の中の獲物の唇にむしゃぶりついた。…半開きの玄関ドアなど、眼中にないらしい。
「…っんん。」
なりふりかまわぬ濃厚なキスに圧倒されながらも、理性が溶けきっていない宵宮の脳内は半狂乱だ。
(今までずっと我慢してきた。もっとキスして欲しいし、ハグして欲しい。…でも。)
宵宮は横目でチラリと玄関扉を気にする。半開きのドアは相変わらず、時折風に煽られて左右にギーコギーコと揺れる。
「…っふぅ…っんむ…。」
角度を変え、甘えるように唇に吸い付いてくる朝倉に、獲物は戸惑いながらも…足を多少手加減して蹴った。
「あだ…っ。な、何、美月チャン??」
顔を離した朝倉の瞳には微かに『嫌な気分になったのだろうか』という怯えが伺えた。慌てて、宵宮は告げる。
「ち、ちが…っ!!玄関扉が開いたまんまだから、その…。僕は今後、この近辺で開かれる御近所主婦参加の井戸端会議で議題にされる気はさらさらないから…!!」
あわあわと理由を話す宵宮をじっと眺めてから、獣はふっと口元を綻ばせてみせる。
「…大賛成。」
言いながら、玄関扉へと駆け寄ってさっと閉めてしまう。そのままくるりと身を翻し、扉に背を向け、獲物に真っ直ぐな視線を向けてくる獣は本気の目をしていた。
「オレも、オレに欲情している美月チャンを誰かに見せる気なんて、さらさらないから。」
「あさく…っぅん…!!」
片腕を掴まれたと思いきや、次の瞬間、宵宮は獲物の腕の中へと舞い戻っていた。やんわりと唇を奪われる。
互いに密着した身体。宵宮は、きついほど抱きしめられて、その幸福感に酔いしれる。先程の接吻の際か。しっとりと濡れた獣の唇に何度も熱心にキスを求められながら、おずおずとその広い背に腕を回す。
「…っ」
獲物の行動に気づいたらしき獣は、今までの倍、熱烈なキスをしてくる。受け入れようと身体から強張りをとこうとした刹那。朝倉の舌が器用に獲物の唇を割って、侵入してきた。
「…っぁ…!!」
ひくん、と宵宮の肩が小さく震えた。緊張気味になりつつも、宵宮は自身が抑制できる限り相手に身を捧げる。獣は無遠慮に思えるほど、獲物の口腔を味わい尽くす。口蓋の上部、弱い部分を何度も責め立てられ、口の中の酸素を殆ど明け渡し、宵宮は自身の両脚から一気に力が抜け、ガクガクと震えだすのを感じた。酸素不足の所為だろう。視界が急速にぼやけていき、無自覚に目の隅に生理的な涙が湧いた。
_
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 80