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「…ああ、そういや言い忘れていたんだけど。オレ、人よりイくの遅いらしいんだ。まあ、“ちょっと”なんだけど。誤差の内だよ、誤差の内。」
はくはくと口の開閉を繰り返す宵宮に、同期の男は満面の笑みを返す。
「だぁ~いじょうぶだって、美月チャン。“ちょっと”なだけだから。…っつーわけで、オレまだイッてないから。少し…この分だとあと二回くらいかな、一緒に頑張ろうな??」
朝倉は再び腰を振りだす。イッたばかりの敏感な体を好き勝手に愛されながら、宵宮はたまらず叫んだ。
「…聞いてないってばぁぁぁ~っ!!」
甘い初夜は、まだ始まったばかりだ…。
金曜日の昼。
屋上で弁当の風呂敷包みを解きながら、宵宮はドギマギしていた。
(…あっという間に金曜の夜だ。どうしよう、前のレッスンした時、水曜の夜は…。)
『ぁ…っ、あ…ッ。あさくらっ!!…あさくらぁっ!!』
うっかり思い出しかけて、宵宮はかぁぁぁっと赤面していく。両頬に手を添え、ぐるぐると悩みだす。
(月曜の夜から何気なく感じ取っていたけど、やっぱり僕と朝倉ってカラダの相性いい方だよね…??)
宵宮はそこまで考え、慌てて頭を左右に振る。気を取り直して、二人分の弁当箱を包んだ風呂敷を解きながら、独り言を呟く。
「…いや、何を考えているんだ、僕っ!!あのレッスンは、僕が体質を治すため、お互い仕方なくシていることであって~…。」
「何をブツクサ言っているんだ??」
「うっわあ!?」
その場で小さく腰を浮かせた宵宮を見て、同期はふふっと小さく微笑んだ。
「相変わらず、元気そうで安心したよ。」
「嫌味言う暇あったら、さっさと座れば??」
かちんとしつつ、宵宮が隣を叩くと、相手は何故かキョトンとした顔を浮かべる。
「…隣、いいのか??」
宵宮は訝しそうに眉根を寄せた。
「いいも何も、ここはそもそもお前が僕に教えてくれた場所だろ。…ほら、お前の指定席にとっとと座れって。」
朝倉はややしてから、得意そうに口角を引き上げた。
「…違うな、美月チャン。そこはオレの特等席だ。」
「言い方変えただけじゃん…。」
不思議そうに小首を傾げる宵宮だった…。
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