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何を考えているのかよくわからない同期との昼食を終え、宵宮は席に戻り、目の前の仕事に集中する。
退勤時間が近づくにつれ、宵宮の集中が薄れていく。…原因は、この後朝倉とベッドインする、という予定のせいだ。いやに思考がブレてしまう。
(朝倉、昼何も言ってなかったけど…。その、つまり…今日も僕ン家に来るってことで合っている…んだよな??)
少しでも考えてしまうと、身体が勝手にあの時の感覚を思い返してしまう。風呂場で一度楽しんだ後は、そのまま一回。ベッドに移って、再び朝倉の熱に溺れた。…覆いかぶさってくる、雄々しく熱い身体。繊細な指先が、宵宮の肌の上を優しい愛撫で行き来していく。どろどろに甘やかしながら、一方で確実に快楽の臨界点へと宵宮の心身を追い詰めていく…際どい交わり方。…気づけば宵宮は頬を桜色に染めて、両腕で自身の甘い疼きに悶えそうになる身体を抱いて、とめどなく溢れそうになる感覚を精一杯抑えるのだった。
(僕、こんなイケない子だったっけ…??)
宵宮が伏し目がちにしていると、すっと肩に手が置かれる。…見なくても勘づいてしまう、温かくて分厚い手。
「…今夜、わかっているよな??」
耳元に囁かれる重低音は、宵宮の華奢な腰によく響いた。今はかっちりとしたスーツを身に纏っているから気取られないだろうが、こんな風に劣情を煽られていると朝倉に知られたら…羞恥に駆られながら、同期は何とか答える。
「わ…っ、わかっているってば…っ。」
拗ねた子供のような口調になってしまったが、相手はその反応がまたお気に召したらしい。くすっと小さく笑って、自分のデスクへと帰っていく。
(…~っ。ホント、心臓に悪いヤツ!!)
宵宮が憤っていると、奴が去っていった方向から馬鹿デカい声が聞こえてきた。
「ええ~っ、ちょっとちょっと朝倉センパイっ!!何、一人だけ先に帰り支度始めちゃっているんですか!!」
柴田の大声に、朝倉の不機嫌そうな短い返事が聞こえてくる。
「…は??」
「いや、“は??”じゃなくて…!!って、センパイ忘れちゃったんですか!?そりゃ、ないッスよ~っ!!」
だって、と付け足す柴田の言葉に、朝倉と帰る気満々だった同期両名の目が大きく見開かれた。
「今日は、“新入社員歓迎会”…“新歓”で、会社のみんなと飲む日じゃないッスか!!」
二人は、距離があるにも関わらずアイコンタクトをとって…同じ心の叫びを交わした。
((わ…っ、忘れていたぁぁぁッ!!))
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