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隙の無い笑みで、朝倉が梅木に声高らかに言い放つ。
「オレの手、思いっきり踏んづけています。」
「っぶは!!」
刹那…、あまりの失礼な物言いに宵宮は派手に噴き出してしまった。宵宮の左右にいた柴田と松川は彼の変貌ぶりに顔を見合わせる。
「え!??笑い出した!?松川さん、患者の様態が急に…っ!!」
本気で焦りだす柴田。
「…ふむ。笑いキノコ。この症状はまさしく笑いキノコ食べちゃったのよ、柴田君…っ!!」
嘘か本当かわからない判断を下す松川だった…。
笑いの余韻が冷めた宵宮が、気を取り直すとふっと視線を感じる。そちらを見れば、何故か朝倉が自分を眺めているのがわかった。
「…あ、あさくら??」
「何だよ、宵宮。」
ふんと鼻を鳴らして笑う朝倉に、一昨日の晩抱かれた男は浅く俯いて、そわそわしてしまう。
「いや…、何って…。」
先刻の一悶着で興がそがれたのか、いつの間にやら朝倉の左右をかためていた梅木と竹井は他所に行ってしまっている。柴田は主役として駆り出されたのか横にはいないし、松川も仲のいい女性社員の元に行ってしまったらしい。運ばれてくる食事も一段落し、皆が各々好き勝手し始めていた。
「…。」
宵宮も、邪念を追い払おうとするかの如く、再び動き出す。ウーロン茶を飲んだり、枝豆を口に含んだり…。だが、前方から強烈に感じる、ねっとりと宵宮の裸身に絡みつくような熱い視線が…堪らない。
(落ち着け、僕!!今は会社の飲み会!!…軽い挑発に乗るんじゃない!!)
しかし、前方から注がれる容赦ない眼差しを、宵宮は自身の感覚から、なかなか閉めだせない。強すぎる視線は、まるでレーザーのように獲物のどこに照射されているか明確に感じ取れた。
(口元から…首筋、胸に留まって…腹…。あ…。また、下方に動いた。)
そこはすでにテーブルに遮られて見えないはずなのに、宵宮は自身を煽る視線に呼吸を荒くする。
(ヘンだ…。ふ、触れられてなんかいないのに。会社のみんなの前なのに。まるで…テーブルの向こうにいる朝倉に全身をまさぐられているみたいな…。)
我ながら酷い錯覚に、くらくらと強い眩暈がする。一口もアルコールを摂取していないはずなのに、頬に朱が滲む。
永遠に思える木製テーブルを挟んだあちら側で、目で犯してくる男が嘲るかの如く、笑う。
「…宵宮、お前、様子がおかしいぞ。トイレ、行った方が良いんじゃないか??」
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