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そこで初めて、獲物は自身のナカに差し込まれた熱い楔が萎えるどころかますます燃え上がり重量を増しているのに気が付く。…獣はまだ、達していない。
「だっ、だめだって…っ」
獲物は無意識に切ない声を発してしまう。…本当はこのまま続けたい。だが、これ以上は流石に時間をかけ過ぎた。男二人、トイレにこもっているには限界がある。
獣は噛んだ耳たぶを堪能するかの如くじゅるり、と音を立てて吸い上げてから、獲物にふっと微笑んでみせた。
「…大丈夫だよ。とりあえず、いったん出ようぜ。時間帯的にもうすぐお開きだろ。」
その後は…、と念押しするかの如く、獣は獲物の肩をぽんと叩いて耳元で喋りかけた。
「…美月チャン家で、さ??」
「…しッ、しょうがねぇな…!!」
いそいそと派手にはだけたYシャツの前を合わせながら、じんわりと赤く染まった頬を相手から背けつつ、口を尖らせて本心を隠す獲物だった…。
恋に酩酊した男二人は、イタズラに身を寄せ合いながら、宵宮の家へと向かった。廊下の床には点々と洋服が散りばめられていた。更衣室に浴室、リビングのソファーにベッドと目まぐるしく場所を移りながら、互いの灼熱を伝え合うように番いあう。
二人の酔いがさめたのは、ちょうど宵宮の寝室の窓から東の山々に眩い朝日が差し込んできた時だ。一つのベッドで、剥き出しの裸身で抱き合っていた二人は、まるで示し合わせたかの如く、身体を丸めてそれぞれの熱を分かち合いながら、心地よい眠りについた。
土曜日の昼間、二人は宵宮手製のブランチに舌鼓をうった。何を食べても美味い美味いと頬張る朝倉に、相手は小さく噴き出して『何日も食べていない人間みたいだ』と言った。
それから、リビングのソファーで二人、隣り合って座り、寛ぐ。宵宮は、獣と一緒なら何を見るのも楽しんだ。男二人、下らない話をして、手を叩き、腹を抱えて笑い合う。
朝倉は、ウサギが思った以上に甲斐甲斐しい男だった。家事全般をするわけではなかったが、宵宮が皿洗いをしている時はそばにいて会話に付き合ってくれるし、洗濯物は干すのを手伝い、何なら乾いた服を畳むのは獣がやった。
ふとした瞬間、目が合うとふんわりと朝倉が微笑む。宵宮は、その温かな表情にどきりとして、すっと距離を縮め、彼の片頬に小さくキスをした。…触れ合うだけの、フレンチ・キス。
「…何。」
「…何でもない。」
面食らっていた朝倉は、え~??と不満げな声を漏らしながら、くすくす笑っている獲物の首筋を甘く食む。柔らかい唇が、こそばゆくて、宵宮は一際甲高い笑い声をあげた。
午後五時過ぎに、朝倉は帰っていった。宵宮は玄関先で甘えた声をあげ、彼の服の裾を引っ張って引き留めたが、獣は相手の後ろ髪を酷く大切に一撫でして、月曜までお預けな、と短く囁いて、ウサギの元から去っていく…。
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