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獣は柔らかな手つきで、骨ばった指先で、獲物の一方の目元を拭い、一方の目尻に口づけて涙を吸い取った。
「美月チャンは、これで今日から立派なオレのお嫁さん。…二度と逃がさないから、そのつもりでいてね。」
「…みつ、るくん…。」
熱狂的な恋心を贈られ、若干恐れ戦きながらも、宵宮は溢れんばかりの幸福感に包まれて、首を大きく縦に振ったのだった。
「…うん!!」
互いに好き同士なのだと自覚してからの交わりは、今回が初めてだった。
数十分後。二人は身体を一つに繋げ、獣は獲物の足を肩で支えたまま、腰を激しく振っていた。獲物は珊瑚色の内壁を貫く熱い剛直に、悶え、喘ぎ、乱れていた。
「…すき、スキ、大好き、美月チャン。ナカ、すっげぇやらかい…っ。」
会議室には、衣擦れといやらしい水音、肌と肌がぶつかりあう乾いた音が響き渡っていく。最早二人は、愛し合うという行為にのみ没頭していた。声を殺すことなく、相手の名を呼び合い、その思いの丈を痛いほどぶつけ合う。
「…んッ、っふ…ぁあっ…。悦い、すっごく悦い、みつるくん…っ!!ぁ、そこぉ…っ」
「はぁ…っ。好きってオレがいう度、ナカがきゅうってやらしく搾り取ってくるよ、美月チャン…っ。ここ…??」
「あん…っ!!や、キモチクって、おかしくな…っ!!ここで何回イッたか、覚えてな…ッ!!」
獲物の身体は、どこもかしこもうっすらと濡れていた。獣の好意を受け止めた汗で、あるいは激情から滲む涙で、絶頂を迎え迸った自らの愛液で…もしくは、獣がマーキングするかの如く塗りたくった相手の体液で。
「オレは、美月チャンに恋をした時から、ずっとおかしくなっている。…ねぇ、美月チャンも一緒におかしくなって??…オレと一緒にイッて??」
相手の最奥を緩急つけて様々な角度から穿ちながら、獣は獲物の両手をとって、恋人繋ぎにした。身体同様、一つに結ばれた手を視界の隅で垣間見て、獲物は歓喜の涙を一筋、その無垢な瞳から頬へと伝い落ちていく。
「…ん。…ぼくも、すきっ。みつるがすき…っ。みつる、みつる…っ!!」
「美月…。大好きだよ、美月。オレの人生、最初で最後の、最愛の人だ…ッ!!」
瞬間。宵宮の身体の最奥で濃密な快楽が大きく爆ぜた。
「ぁああ…ッ!!」
「ぐ…っ。」
やや遅れて、宵宮は腹に灼熱が注ぎ込まれていく感覚がした。両者荒い息を繰り返していると、朝倉が相手の頬に汗ではりついていた髪を元に戻してやる。何度となく頬を撫でられ、宵宮は胸の鼓動が弾みっぱなしのまま、恋人と顔の距離を縮めていき…再びキスをかわす。
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