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17日目、お誘い。
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「うぅうううん…………んんんんん?んん……うぅん、どうしようかなぁ、でもなぁうううん」
「魁輝うんうんうっさい!」
勉強中の姉ちゃんに怒られました。
もうすぐ祇園祭である。
夏休みに入ってから遼哉が休みの日は決まってと言っていいほど遼哉と遊んだ。遊んだと言ってもただどちらかの家でダラダラ過ごすだけなのだが、それでも遼哉はいつも満足そうに「またな」と帰っていく。それでいいのかと考えることもあるが、まぁ口は悪いが安上がりで金欠の俺にとってはとても良い。
そして祇園祭とは案外早いもので、ダラダラ過ごすうちにもうやってきた。夏休みも中盤に差し掛かった。
俺は机の上に広げた課題と格闘していた手を休め、ぐーっと伸びをした。何時間と動かなかった骨が一斉に伸びて時折ボキボキッと音がなる。
っはぁあ、と机にだらだらーっと伏せてもう目の前に来た祇園祭に誰と行こうか、と悩む。
別に行かなくたっていいのだが。でも先も言った通り祇園祭はこの地域の人にとって大きな祭であるのだ。なぜだか行かなければ気が済まないような、そんな祭。
行くとして候補に挙がるほとんどは潰された。部活や山車に参加する人や他の人たちと行く予定になっている人。それらが除外されるとなると随分だ。
それに該当しなくて、普通に仲が良くてよく遊ぶような人、となると限られてくるのだが。
「でもなぁ……今更誘ってもどうせ部活の奴らとかと行くんだろうし……、悩むの遅すぎかよ俺」
そう。なんて言ったってもう祭は目前。
友達の多い奴ほとんどがもう行く人は決まっている。
しょうがない、という言い方もアレだが、まぁしょうがない。ももちゃんに一緒に行っていいか聞いてみよう。口城さんはまだしゃべったこともないけどなんとかなるだろう。ごめんよ口城さん。
と、スマホに手を伸ばし桃雅に連絡しようとした時。
少女漫画よろしく、タイミングをまるで見計らったかのように違う人からラインが入る。
ピコンッ
遼哉
祇園祭行く奴きまったー?
決まってないなら俺も決まってねぇし一緒に行こ
「決まって……え、え?遼哉決まってなかったの?意外……というかえ、まじか」
何かわからないが感動が走ってスマホを両手で持って立ち上がり掲げてみる。
ふおおお……と言いながら掲げ、少ししてからハッとしていそいそと返信する。フリック式のそのキーボードはその静かな部屋にカチカチと音を響かせた。
遼哉
祇園祭行く奴きまったー?
決まってないなら俺も決まってねぇし一緒に行こ
魁輝
いいの?いく!!!ありがとう!!!
…………、まさかの。
まさかのOK来ました発狂しそうどうしよう。
「……うおっしゃあああああああいっ!!!!」
「うるっさい遼哉!!!!」
お誘い。
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