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諜報機関。
それは極秘に国家統治のため暗躍し、ときには違法行為も人知れず行う組織。つーかぶっちゃけ、合法なことのが少ない。やったぜ。
工作員の楽しみあるある。その1。最先端で画期的且つ魅力的な道具。ノイズから始まるアナウンスは、すぐに鮮明な音声に変わった。事前につけておいたコンタクトが、ターゲットを確実にロックオンする。向こうの通りからやってきたパートナーを、微かな後頭部の痺れで認知した。古き良き街並みは、今夜お祭りでごったがえしている。花火が上がる前に、あれを撃つ予定。上がってからだと、発砲音がズレちゃうからね。って、映画でもよくあるシーンだからそんなのわかってるか。
楽しみ、その2。なんとも素晴らしい仲間たち。マリアの指示が骨伝導でじかに届く。あの美女のおっぱいは一度揉んでみたかったな。裏路地にターゲットは滑り込んだ。虫を模した超小型のドローンカメラが後を追う。路地は一本道なので、ようやく相棒と合流した。リンとかいう名前のこいつは、小柄で地味ですぐ周囲に馴染む。だから尾行や暗殺が得意だ。ニンジャみたいでときどきかっこいい。同い年のくせにいろんなことをよく知ってる。
狭い路地を抜けると、そこにはターゲットとそのお仲間が俺らを待ち構えていた。
夜の海は美しい。空と海の境が一番区別のつかなくなるあたりが、特に好きだ。無表情で銃を構えているけれど、隣でパートナーが焦ってるのは見なくてもわかる。二ヶ月も一緒にいりゃ、全部お見通しだ。なんにも聞こえないけど、デスクも言葉を失ってるのはなんとなく伝わる。そんなんじゃチェアマンやってらんないだろ。別ルートから手助けに来たジョンの脚を撃ち、マルコの頭を掴んで砂浜に叩きつける。
俺が。
ああ、楽しいなあ。
まさかターゲットの仲間が全員、年端もいかぬ子供らだとは誰にも想像出来まい。いや、名の通りなんだけど。チャイルドプレイってちょっと傲慢過ぎない? でもみんなが絶句してるのはそこじゃなくて俺の行動なんだけどね。
さて、ここでおさらいだ。
工作員の楽しみあるある。
その1、画期的な道具。
その2、素晴らしい仲間。
その3は?
それらを全部裏切ること。
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