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えっちな義弟くんのカラダ共有♡年上二人に溺愛されて夜も眠れません
紅葉のとばりと黒あげは
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「はぁ、良いお湯だったぁ」
あの後綺麗に身体を洗い、床の精液を掃除し、温泉に浸かった。秋の野山を一望できる温泉で身体の芯からあたたまって、ぬくぬくになった。浴衣に着替えた凛はドライヤーで航に髪の毛を乾かしてもらっている。
「やっぱりお兄ちゃんに髪の毛乾かしてもらうのが好き!」
「僕も凛の髪の毛乾かすの好きだよ……抜けた髪の毛は全部保存してあるからね」
「いいな! 俺も凛ちゃんの髪の毛乾かしたい!」
「えー……でもこの前おまかせしたら、下から風を当てるから髪の毛はねちゃったんだよね……綾瀬さんは適当すぎるんだよー」
綾瀬はわりと雑な男なので、ドライヤーのブローという言葉は彼の辞書にはない。料理は何でもかんでも強火。この世のすべてを目分量で生きているのだ。そして何を考えているか分からない脳みそでとんでもないことをやったり言ったりする。天性のトラブルメーカー、生粋の天然である。
一方で航は丁寧かつ細やかなのだが……弟に対するストーキング行為は日に日に激しさを増しており、ありとあらゆるものがジッパー付きの袋に収納されている。凛は最初こそびくびくしていたが、もう慣れた。何に使っているかは分からないけれど、お兄ちゃんが欲しいならいいかなという諦め。
凛も凛でこの癖が強めの二人をうまいこと操縦しているのだから、とんでもない。今の所無意識ではあるが、何を言い何をすれば二人が動いてくれるかを完璧に把握している。
三人が綺麗に組み合わさった、奇跡的なバランス。性欲と溺愛とその他の何かが混ざった奇妙な関係。しかし、今回の温泉旅行でまた少し三人の形は変わる。でも、今はまだ誰もその事を知らない。
山の中の露天風呂から旅館に帰りながら、凛は振り向いた。秋の風に、航のオレンジブラウンの髪の毛が揺れる。それはまるで紅葉の帳。輝くように赤や黄色に野山を染め抜いてから、一瞬で全てを散らせる、ひと時の夢。
綾瀬の黒髪は夏の終わりによく見かける黒あげはのよう。秋の深まるごとに弱々しくなり、命の終わりまで懸命に生き……消えるようにどこかに行ってしまう儚い命。
凛はふと思う。
いつまでこの関係は続けることができるのだろうか、と。
前を歩く凛の後ろで微笑みながら見守ってくれる兄と、綾瀬は、いつまで自分の所にいてくれるのだろう?
菊香る #秋宵__しゅうしょう__#。美しい秋の夕暮れが、次第に夜に変わる時間帯。三人の影が、道の上にどこまでも長く伸びていた。
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