アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
A組
-
僕のクラスはA組だった。席は1番端の1番後ろ
で、人と関わらないようにするには丁度いい。
クラスメイトたちはもう打ち解けている人たち
が多いようでざわざわしていた。僕はそのまま
自席に向かい誰にも話しかけられないよう担任
が来るまでふて寝した。
________________________
「みんな、おはよう!ボクは今日からA組の担
任になった山口 千尋です。よろしくね、担当科
目は理科、困ったことや分からないことがあれ
ばなんでも聞いてね!」
担任は若そうでかつ僕とは正反対なぐらいすご
く爽やかな先生だった。
「よし!じゃあまずは自己紹介!出席番号順に
お願いしていこうかな?」
ついに来た自己紹介。これは上手く話せない僕
にとっては拷問も同然。やりたい人だけがやれ
ばいいのに___
そんなふうに聞き流していると不意に聞き覚え
のある声がした。
「諏訪 太陽です!中学ではバスケ部に入ってま
した!1年間よろしくお願いします!」
あぁ、さっき話しかけてきた人か、同じクラス
だったんだ。かっこいい人って入ってた部活も
かっこいいんだな…
________________________
そして遂に僕の番が来てしまった。どうしよ
う、他の人みたいに話すこともないし上手く話
せないし…また…キモイってちゃんと話せよって
バカにされるかも…。そう思えば思うほど僕は
頭が真っ白になっていった。
「深海くん…?大丈夫?」
なんて先生の声も頭のどこがで聞こえる。でも
僕の頭は真っ白で何も考えられない。でも、グ
ズな僕のせいで時間を使うわけにはいかない、
名前…を言うだけなら…
「深海…美影…です……………よろしく…お願いしま
す…。」
え、それだけ?とざわざわとした声が聞こえて
くる。でも僕にはこれが限界なんだ。僕は誰と
も関わらずに学校生活を送りたいだけなの
に…!
「美影くんの名前って漢字がすごく綺麗だよ
ね!!美影くん!よろしくね!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 11