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プロローグ
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私が愛してしまった人は、男女構わず手を出す人だった。
そんな人に、恋をした。
綺麗な顔で、にこりと笑いかけてくれた。頭を撫でてくれた。私を愛しているといってくれた。私に優しく触れてくれた。男、ということに偏見を持たずに、私を受け入れてくれた。
優しい貴方に恋をした。
だけど、その優しさは、私だけに与えられるものではないと気づいたのはいつだっただろう。
気づいても尚、私は貴方を愛していた。…悲しかった。悔しかった。私の他に貴方に愛される人が憎かった。だけれど、貴方を嫌いになることなんて、出来るわけがなかった。本当に、本当に愛していた。
私だけを愛してくれるなんて。あり得ない。頭では分かっていた。私の前で、平気で違う私と同じような関係の人と笑いあっていたから。最低。そんなこと分かっていた。
……けれど。
嫌いになんてなれずに。
…私は、私の全てを貴方に捧げたかった。
貴方に、私だけを愛して欲しかった。私だけをみて、私だけに微笑んで。私だけに触れて欲しかった。
そういうと、貴方は途端に私に触れなくなった。笑い方もとてもぎこちなく。話すことも少なくなった。
ずっと怖かった瞬間。関係が壊れると、そう思った瞬間。でも。おそらく、そんな感情は、どんなに幸せそうな恋人同士でも誰にでもあって。ただでさえ男ならなおのこと。男同士なら、いつかこんなことになるのだろう、そう思ってはいたものの、悲しくて悲しくて。会いたくて。
結局、私は今日も貴方を待ってしまう。
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