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(16)新たな居場所-6
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夜も更け、暗くなった廊下を歩く小さな影。窓から吹き抜けるそよ風がティジの白い髪をなびかせた。
この時期になるともう少し南のほうの地域では袖の短い服で過ごさなければならないほど暑くなるところもあるらしいが、ティジたちが過ごす地域ではそこまで暑くなることはない。薄手の長袖シャツで乗り切れるぐらいだ。
夕食後、少し人気のあるところにいたいと思って談話室で本を読んでいた。そしたらいつの間にか眠ってしまっていたようで、目を覚ました時にはこんな時間になっていたのである。
『とりあえず自分の部屋に戻ろう。さっきまで寝てたから全然眠くないけど……とりあえず横になってたら眠れるかなぁ』と頭を悩ませていたら中庭の横の通路に差し掛かる。月明かりが射し込み、夜でも綺麗な光景に足を止めた。
ふと思い出すのは一ヶ月ほど前の出来事。この場所で倒れた時……ルイをひどく泣かせてしまった日のこと。
この間はクーさんにすごく怒られたな。まぁ『花の世話はあんまりするな』って言い付けを破ったから自業自得なんだけど。
心配してくれてるからあんなに怒るんだというのは分かっている。でも、僕だってルイのことが心配なんだ。
初めて会ったときのルイはすごく怯えていた。だけど僕の姿を見たら、何でかそれが薄まった気がして……多分同い年の子どもだったからだろう。だから僕ならあの子に何かできるんじゃないかと思って、つい無茶をしてしまった。
初対面で僕の姿をあんな目で見る人は初めてだった。大抵はみんな少し奇妙な物を見る目を向ける。そうでない場合は戸惑いの色か。そのことについて自分から触れたりはしない。だってこんな変わった色をした髪と瞳なんだから。気にするな、というほうが無理だろう。
もう慣れた。慣れるんだ。慣れないと。そうじゃないとこれから先、外と関わりを持つ時にもっとつらい思いをする。
でもルイは他の人とは違う目を向けてくれた。奇異や戸惑い、それらに当てはまらないような感じで……。
いや、気のせいかもしれない。やめよう、こんなことを考えるのは。ダメだなぁ、夜に一人でいると暗いことばっかり考えちゃう。
◆ ◆ ◆
「ひっぐ……ぅっ……」
廊下を歩き続けていると、すすり泣くような声が聞こえた。通路の先、クーさんの部屋の前でルイがうずくまって泣いていた。クマのぬいぐるみをぎゅっと抱きながら、声を押さえるようにして涙を流している。
「ルイどうしたの?クーさんは?」
異様な姿に内心驚きつつ声を掛けると、ルイは肩を大きく跳ねてバッとこちらに顔を向けた。ひどく怯えた様子だったが僕だと分かるとその青い瞳はほんの少しだけ恐怖の色を薄める。
「わかんない……っ、ぼく、怖い夢みて……起きたら伯父さんどこにもいなくて……ずっと、待ってるのに、全然戻ってこない……っ」
どうしよう、と呟きながらルイはぼろぼろと涙をこぼす。
そうか。部屋で一人で待っているのが怖くて、少しでも早くその姿を目にしたくて扉の前で待っていたのか。
でもこんな時間にいないということは詰所のほうで急患が出た可能性がある。だとするといつ戻ってくるか分からないし、下手したら一晩中戻ってこないかも……。
「ルイ、良かったら僕の部屋に来ない?ここじゃあ体が冷えちゃう。それに僕の部屋だったらクーさんが戻ってきてルイがいないことに気がついた時、真っ先に見に来てくれると思うから」
そう誘いをかけるとルイは「いいの……?」と聞き返してきたので、少しでも安心させるために笑顔で大きく頷いた。
「ルイ、こっちのほうが暖かいよ」
ベッドに入り、ルイもこちらに来るよう促すとクマのぬいぐるみを抱いたまま、いそいそと遠慮がちに入り込んできた。
「……っ、ふ」
ガタガタと震えながら、必死に涙を止めようと唇を噛みしめている。よほど怖い夢を見たのだろう。
『どうしたら落ち着けられるかな』と考えていると開けていた窓から強い風が吹き込み、その音に驚いたのか小さく悲鳴をあげる。これじゃあ落ち着くことなんてできそうにない。
「ルイ、もし良かったら何かお話聞かせてあげよっか。僕もさっきまで談話室で寝ちゃってたから目が覚めてるんだ」
見切り発車もいいところだがとにかく静かなのが良くないと考え、提案する。ルイは小さく震えながらコクリと頷いた。
「よかった、それじゃあ何か物語とかがいいかな。ここにある本だと……」
すぐそこにある本棚に本を取りにいこうとすると即座に服の裾を掴まれた。突然のことに驚きを隠せず、思わずそちらに顔を向けるとルイはひどく怯えた表情をしていた。
「……いかないで……一人は、やだ……っ」
か細い声で訴えられてしまっては無下にすることなどできない。それに、恐怖や不安でいっぱいな時に一人にされるのがどれほど怖いかなんて僕は知っているはずなのに。
そこまで気が回っていなかったことを悔やみながらルイの隣に横たわった。
「ごめんね。大丈夫、僕はここにいるよ。それなら……このお城であったお話にしようかな。うーん、どういうお話がいいかな」
クーさんの話もあったけど、今聞かせたら余計に泣いてしまうかもしれないので断念した。でも、ここで過ごしてたら大体はクーさんのことが出てくるからなぁ。それ以外となると……。
「そしたらじぃじとのお話してあげるね。あのね、じぃじは甘い物とか沢山くれて、すっごーく賢くていつも一緒にいてくれたんだ」
記憶の中のじぃじはいつも穏やかな笑みを浮かべていて、どんな時もそばに寄り添ってくれた。
ルイはじぃじと会ったことがないはずだから『会ったこともない人の話なんて退屈しちゃうかな』と不安だったけどルイは静かに聞いていた。
「僕が泣いちゃってた時も『大丈夫だよ』ってこうして頭を撫でてくれて、背中も擦ってくれたり」
そう言いながらルイにも同じことをしてみる。怖がらせたらどうしよう、とは思ったがルイはそのまま身をゆだねた。うん、体の震えが少しだけ治まったような気がする。
心の内で安堵しているとルイは目元を赤くした青い瞳で何の気なしに、といった様子で口を開く。
「……ティジのおじいさんは、今どうしてるの?」
「じぃじは……あ、えっと……」
どうしよう。そこまでちゃんと考えていなかった。
――じぃじは半年ほど前に亡くなっている。
それを今のルイに聞かせるのは一番良くないことだった。
「えっと……じぃじは……」
「……もう、いない?」
突然言い淀んでいたら流石に察しがついたのだろう。……しまった。何か適当な嘘でもついてしまえばよかった。
「……ごめんね」
「……ティジが謝ることなんて無いよ」
申し訳なくて謝るも、かえってルイに気を遣わせてしまう。少しでも元気になってほしかったのに上手くいかない。下手に何か話そうとするともっと状況が悪くなりそうだ。
どうしよう、と最善な選択肢を探していたらルイの手が僕の頭にそっと触れた。予想だにしていなかったことに目を丸くすると、ルイはぽそぽそと何か悪いことをしてしまったかのような声で呟く。
「……ティジ、苦しそうだから……ごめんね、ぼくのせいで……」
……あぁ、僕は何をしているんだ。励まそうと、元気づけようとした相手に逆にそうさせてどうする。ダメだ。変に回りくどいことなんかしないで自分の言葉で伝えないと。
意を決して、遠慮がちに僕の頭を撫でていたその手を取ると自身の両手で包みこんだ。
「ルイ。僕ね、ルイが来てくれて本当に嬉しいんだ」
前にも話したけど、それは嘘偽りのない心からの言葉だ。
「ルイのことはクーさんから少し聞いてたんだ。でも会ったことないからどんな子だろうって思ってて」
突然こんなことを言われても困っちゃうかもしれない。でも『僕はルイの味方なんだ』って……いや、少し違うな。『僕はルイと一緒にいたいんだよ』って伝えたいんだ。
「ルイは僕のこと他の人とは違う目で見てくれたような気がして……それが不思議で、何だか嬉しかった」
もしかしたら気のせいかもしれない。でも、今もこちらに向けられているその瞳は、やはり嫌ではなくて。
どんな感情で僕を見ているのか気になるけど……それを確かめるのは怖くてできない。
「だからね、僕はそんなルイと一緒にいろんな楽しいこといっぱいできたら嬉しいなって思ってるんだ」
ぎゅうっとその手を温めるように今一度包み込む。だがルイは依然として曇った表情のまま呟く。
「そんなの、できないよ……」
「……どうして?」
もしかして『僕と一緒』が嫌なのだろうか、と考えて心がザワザワしてくる。しかしルイの口から出たのは自分の予想に反することだった。
「ぼく、のせいであんなことになったのに……ぼくが笑って過ごすことなんて、できないよ……っ」
震えた声に呼応するようにその青い瞳が再び潤んだ。
「そんなこと――」
「伯父さんは、違うって言うけど……っ!でも、伯父さんも苦しそうにしてるの知ってるんだ!ぼくが寝てるとき、写真見て泣いてて……ぼくが、ぼくのせいで伯父さんにあんな顔させちゃった……!」
声をあげて泣きだすルイに言葉を詰まらせてしまう。
その発言からクーさんも内心相当つらかったが、ルイの前ではそんな姿を見せなかったのだと考えられた。きっとクーさんもルイにそんな姿を見られたとは夢にも思っていないだろう。
じゃないとこんな状態のルイを一人になんてするはずがない。
「……ぼく、さっきあの日の夢、みたんだ……っ、みんな、真っ赤で、動かなくて、でも、ルイ、ルイってぼくの名前が聞こえるんだ……、きっとぼくのこと、うらんでる……おとうさんも、おかあさんも、お兄ちゃんだって……っ!」
僕の手を振り払い、自身の両耳を塞ぐ。今もなお、自身の名を呼ばれ続けているかのように。
事件のことはクーさんから聞いていた。たくさんつらくて悲しい思いをしたから、どうか優しく接してあげてほしいと。
ルイは引き泣きながら、自分を責めるように続ける。
「ぼくがそんな目にあわせたっ、のに、おじさんから、みんな奪ったのに……っだから、ぼくが、ふつうにすごしちゃいけない、そんなこと、できないよ……っ!」
ルイの話は前からよく聞いていた。クーさんはルイやその家族について話すときすごく優しい顔をしていて。『いつかルイにも会わせてあげたいな』って本当に楽しみにしている様子で言っていた。
僕の前ですらそんな様子だったんだ。きっとルイの前ではこれ以上にないほどに幸せそうにしていたのだろう。だからこそ、ルイは……。
『そんなことないよ』なんて言葉は意味がない。
そんなありきたりな言葉、気休めにだってならない。
「おじさんを、ひとりにさせた……ぼくも、ひとりじゃないとダメなんだ……だから、おじさんは帰ってこなくて……」
でも、と呟く。
「でも……ひとりぼっちは、やだよ……」
かき消えそうな声で出たその言葉は、まるで助けを求めているかのように聞こえた。
「……ねぇ、ルイ。少し、聞いてくれる?」
僕の声が届いたのかルイは僕の瞳を見つめた。
「僕はクーさんからルイのことをよく聞いてたんだ。元気で、笑顔が素敵な……でも家族に何かあったらすぐ泣いちゃうようなとっても優しい子って」
クーさんはいつも大事な宝物について話すような優しい声で語っていた。
「クーさんはルイのことが大好きだからここに連れてきたんだと思うなぁ。ルイが一人にならないように。ここだったら少しでも一緒にいられるから」
「……でも、そんなの分からない……だってそんなこと、一言も……」
ふるふると首を振るルイに微笑みを見せながら問いかける。
「もしかしたらクーさんもルイの前では格好つけたいだけなのかもしれないよ?そうだ、明日僕と一緒に聞いてみよっか」
クーさんのことだから聞いたらすぐに教えてくれるよ、と言うもルイの不安はまだ拭えない。
「じゃあ……伯父さんがこのまま帰ってこなかったら……?ぼくのこと置いてどこかにいっちゃったんだとしたら……」
「多分いまはお仕事してるんじゃないかな。ほら、クーさんってお医者さんだから。ルイも夜中に急に具合悪くなったことない?」
そう聞くと「えっと……」と少し考えた込んだのち、何か思い出した様子で言葉を発する。
「……ある。前に風邪引いて熱がひどくなって……そういえばあの時、伯父さんがすぐ来てくれた……」
クーさんはここに住み込みで働いている。おそらく連絡を受けてすぐにルイの家に駆けつけたのだろう。
「朝起きたとき、ごはん食べてるとき……夜眠るとき。ルイのまわりには本当に誰もいない?」
一つ一つ絡まった結び目を解くようにゆっくりと確かめていく。
「伯父さんが……いる。でも、もう伯父さんしかいない……っ」
ぐっと息を詰まらせるルイに、その耳を塞ぐようにしていた手にそっと自身の手を添える。
「ルイがそう思ってるようにクーさんも同じこと思ってると思うなぁ。ルイ、さっき言ってたでしょ?『ひとりにさせた』って。でもそうじゃない。クーさんにはまだルイがいる。ルイが一人になろうとしたら……いなくなったら、クーさんは本当に一人になっちゃう」
だから『ひとりじゃないとダメなんだ』なんて思わなくてもいいんだよ、と囁く。
「でも、でも……!じゃあ伯父さんが、また今みたいにどこか行っちゃったら……ぼく、ひとりになっちゃったら……っ、ずっとひとりで待つの……?ぅっ、ぼくは、ひとりで……ひとりぼっちで……」
指先が白くなるほど強く握りしめられたその手を、怯えさせないように優しく取り、自分の胸元に持っていく。
その手はとても冷たくて、それを少しでも温めようと、そう変わらない大きさの手で包み込んだ。
「そしたら一人が怖い夜は僕がずっと一緒にいる。よく眠れない日はいろんなお話して『明日は何しよっか』ってたくさん楽しいこと考えたりして。ルイが眠れるまで……ううん、ルイが起きるまでずぅっとこうして手を握っているよ」
じぃじや母さんがしてくれたように笑顔で告げる。僕にとっては誰かの温かさと笑顔が何よりも安心するものだから。
僕もルイに安心してもらいたくて、ひとりなんかじゃないよって。それが少しでも伝わってくれたら、と願いながら手を握る。
「……ずっと、いてくれる?みんなみたいに……いなく、ならない?」
「うん、ずっと一緒にいるよ」
それを聞くとルイはそれ以上言葉を発することなく、ただただ涙を流し続けた。嗚咽をあげて震えるルイの手を静かに握る。
この手の熱が、少しでもきみの心を温められたらいいなぁ。
◆ ◆ ◆
あたたかい……いつもは伯父さんに握られている手だけが温かいけど、今は何だか体のほうも温かい。
ぼんやりとした頭で、目を開ける。
「……ん、ぅ」
目と鼻の先でティジがすやすやと穏やかな寝息を立てながら眠っていて少し驚いてしまった。
あぁそっか。ぼく昨日怖い夢を見たんだ。起きたら伯父さんがいなくて、一人が怖くて泣きながら待ってたらティジが見つけてくれた。……本当に、ずっと一緒にいてくれたんだ。
ふと見るとティジの片方の手はぼくの手を握ったままで、もう片方の手は抱き締めるかのようにぼくの体にまわされていることに気づく。だから手だけじゃなくて体も温かかったんだ。少し熱いとすら思えたけど、今はそれになによりも安心した。
するとティジはもぞもぞと身動ぎをしたのち、まぶたを開けた。
「あ……ルイ、おはよう」
昨日と同じ、優しい笑顔を浮かべてぼくを見る。
「……お、はよ」
昨日のことを思うと少し気まずくて、言葉を詰まらせてしまった。
「のど、痛そうだね。お水でも飲もっか」
確かに少しだけのどが痛かったけど、それを言わなくてもすぐに分かったティジに驚く。
するとコンコン、と控えめなノックの音が聞こえた。それに次いで部屋の扉が静かに開かれる。
「……っ、ルイ!」
ぼくの姿を見ると伯父さんはすぐさま駆け寄り、強く抱き締めてきた。
「よかった……!部屋に戻ったらお前がいなくて、どこにも、っ、部屋の中探しても見つからなくて、お前までいなくなったんじゃないかって……!」
ごめん、ごめんな、としきりにぼくに謝る。伯父さんのそんな姿は見たことがなかった。
「ずっとそばにいるって、離さないって言ったのに、ごめん、本当にごめんな……っ」
切れ切れに話すその内容からどうやら夜中に『詰所のほうで人が倒れた』と呼び出されたらしい。
寝ているぼくを起こすのは良くないと考え、なるべく早く戻るつもりだったが念のため書き置きを残しておくことにしたのだという。……全く気づかなかった。伯父さんの姿がないことに気が動転して、ちゃんと見ていなかったのだろう。
ぼくも書き置きぐらい残しておけばよかった、と伯父さんの姿を見て後悔した。
「お前まで、いなくなったらどうしようってずっと怖かった……もう、俺にはルイしかいないんだ……お願いだから、俺の前からいなくならないでくれ」
背中に手を回すと、その大きな体はとても震えていた。
「伯父さんも、怖かったの……?」
「当たり前だ……!ルイを探しながら、あの日、本当はルイもいなくなっていて……俺が見ていたルイはまぼろしだったんじゃないかって、ずっと、ずっと怖くて仕方がなかった……!」
泣いてるような声で伯父さんは叫ぶ。そんな声も聞いたことがなくて言葉も出せないでいると、伯父さんの体が少し引いてぼくの顔を見つめた。その目はなんでか薄く濡れているように見えた。
「ごめん、俺がそばを離れたせいで、ひとりにして……怖かっただろ……?」
たぶん、ぼくの目元が赤くなっていたことに気づいて出た言葉だろう。やっぱり、伯父さんにはすぐ気づかれちゃうなぁ。
「……ひとりは怖かった、けど……ティジが一緒にいてくれたから……たくさんお話したから、平気だったよ」
伯父さんを心配させたくなくて、少し強がって『平気だった』なんて言ったけどやっぱりちょっと不安だった。でもティジの手の温かさでそれが少し和らいだのも本当だ。
「そっか、ティジとたくさんお話できたか……それなら、よかった……っ」
強く強く抱き締められ、再び伯父さんの顔が見えなくなる。でもぼくの肩が濡れた気がして、伯父さんが泣いてるのだと分かった。
伯父さんの体は温かくて。窓から射すお日さまも心地よくて。
『あぁ、すごくあたたかいなぁ』と思いながら目を細めた。
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