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「じゃあね!静、連絡するから遊ぼーね!」
日が過ぎるのは早く、あっという間に課外の終わる日が来てしまった。
柚子に別れを告げて、夏休み前最後のお手伝い役に向かった。
藤枝先輩と会長は明日から一週間帰省すると最近の会話で聞いていた。
明日からしばらく、一人で過ごす事になる。
憂鬱な気持ちのままお手伝い役を終えた頃、いつも通り会長がやって来た。
「静も明日から帰省するんだろ?」
会長に聞かれ、僕は少しうつ向きながら、
「僕は…寮に残ります。」
と答えた。
「…帰らないのか?」
と驚いたように藤枝先輩に問われ、
「…はい。少し…事情があって……」
と曖昧に誤魔化した。
藤枝先輩は、そうか、と言った。
会長は黙って何かを考えているようで、理由を問われるような事はなかった。
「それじゃあまた、夏休み明けに…」
「ああ。」
「元気にしてろよ。」
二人に挨拶をして、僕は名残惜しく思いながら会長室を後にした。
お手伝い役を始める前は、一人で過ごす日々も寂しいとは感じなかった。
だけど今は…
先輩、会長、柚子…
毎日のように一緒に過ごしていたから、皆いなくなってしまうのが残念で仕方ない。
特に藤枝先輩に会えないのが堪えそうだ。
とりあえず明日は父さんのお墓参りに行こうと思っていた。
(父さん…)
その日は父の優しい笑顔を思い出しながら眠りについた。
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