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「柚子、おはよう。」
「おはよう!って…静!?昨日より顔色悪くなってない!?」
大丈夫なの?と柚子が心配そうに僕の顔を見てくる。
「うん、ちょっと寝不足なだけだよ。」
「そっか…無理は禁物だよ。」
「うん。ありがとう。」
昨日から柚子に心配ばかりかけてしまっている。
少しでも元気をださないと…
そうは思いつつも、気づいたら思考の渦に沈んでいた。
午前中に藤枝先輩のバスケットボールの応援に行った。
先輩は昨日と変わらず、大活躍だった。
僕の胸も昨日と変わらず高鳴ったが、時々副会長の顔が頭をよぎり、その度に胸が苦しくなった。
その後、僕のクラスのドッチボール3回戦が行われた。
僕のクラスは3回戦も見事勝利した。
次は準決勝が明日行なわれる事となった。
「やっと副会長様を見にいける!」
昼ご飯を食べながら、柚子が嬉しそうに言った。
「そうだね。」
僕も無理矢理笑顔をつくって答える。
午後は副会長のソフトテニスの試合がある。
僕たちは昼ご飯を終えるとすぐに場所取りに向かった。
正直昨日の今日で副会長を見に行く気にはなれなかったが、柚子には事情を説明出来ないので、結局見に来てしまった。
でも、試合が始まって、やっぱり見に来るんじゃなかったと思った。
ソフトテニスをしている副会長はすごくカッコ良くて、周りはみんな見惚れていた。
柚子も目をキラキラとさせながら、副会長様頑張れー!、と叫んでいた。
敵わない。昨日から思っていた事をなお強く感じてしまった。
僕はこれからどうすべきなんだろう。
ボーッと試合を見ながら考えるのは、やはりそんな事だった。
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