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「先輩って身長いくつですか?」
「190cmだ。」
「…背が高くて羨ましいです。僕も…もう少し身長が欲しいです。」
「そうか。」
くっついてソファーに座ったまま他愛ない話をして過ごす。
先輩は時々、僕の頭に顔を擦り寄せたり、髪をすくように頭を撫でたりしていた。
僕の心臓は一杯一杯だったが、すごく幸せを感じていた。
そうしてまったりと過ごしているうちに夕方になり、先輩はそろそろ帰ると言って立ち上がった。
(なんだか…寂しいな……)
最近では部屋に一人なんて当たり前の事で、それを寂しいと感じた事はなかった。
だけど、先輩と二人で居たこの部屋に一人残されるのは寂しかった。
そう思っている事が顔に表れていたのか、見送りに来た玄関で先輩は僕を優しく抱きしめて、
「明日も来ていいか?」
と聞いて来た。
僕は抱きしめ返しながら、
「はい…是非……」
と答えた。
先輩が出て行った後も、僕は玄関に佇んでいた。
(明日も…来てくれるんだ……)
さっきまでの寂しいという気持ちはすでに無くなっていた。
唯々胸が一杯だった。
部屋に戻って宿題に取りかかろうとしても、先輩の事ばかり考えてしまって手につかなかった。
(先輩…好きです……)
態度でバレバレだと思うが、未だはっきりと言葉にしていない気持ちを頭の中で唱える。
(先輩は…僕の事、好きですか?)
怖くて聞けないけど、すごく気になってる。
(少しでも好きでいてくれたらいい…)
付き合っているのだから、弟みたいなただの後輩以上にはなれたはず…!と自分に言い聞かせた。
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