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サロンの中に入れば、案の定。
刺すようなイヤな視線で、じろじろと俺を見ながら……。
クスクスと何かを、話し始める貴族だろうと思われる奴らしか居なくて。
(そんなに、嫌かよ。俺が歩いてるだけでも不愉快かよ……ふざけやがって)と、内心だけで毒付きながらも、このサロンで1番良い場所に在る席に連れて行かれているので。
──傍らに居る彼に、この事に対してどう反応を見せれば良いのかと考えて、俯いたまま感情を押し殺して……。
人形のように無表情で歩き、案内された席の前でピタリっとロボットのように止まってから、席にゆっくりと座ったと同時に。
「吐き気がしそうなぐらい……不愉快で、機嫌が悪くなるよね。見た目でしか判断出来ない癖に、上位者振るとか……。まあみんな僕よりも低いから、仕方がないか。でも身の程を弁えるべきというか……」
「……おい、ちょっと。流石にそこまで言ったら……」
明らかに喧嘩腰で言い放つアレクセイの発言に、彼に言われた事を無視しながらも。
周りには聞こえそうで、聞こえない声音でそう焦ったように言い放てば。
「そこまで? 別にこれぐらい……大丈夫だよ、僕だから許されてるのもあるけどさ……。でもほら、皆んな君に対しての不名誉な事するの辞めたから。これで安心して、僕と楽しくお茶でも飲もうか」
「なっ……そんな訳あるかよっ……て、本当だ。恐ろしいぐらいに……もう何もない」
先程までとは打って変わったかのように、嫌な方で賑やかだったサロンが。
アレクセイの言葉一つで、静まり返って……。
──逆に音楽と食べる時に出るナイフの金属音だけしか、聞こえない状態になってしまったので。
俺は心の中だけで叫ぶように。
(発言一つだけで、ここまでしてくるとか……。コイツ何者なんだよ、いやめちゃくちゃ凄い貴族なのは分かるけどさ。それとは別に……もっと、もっと上位で……支配する? いや違う管理する……側のような凄味があって……。ああもう、考えるだけどんどん分からなくなるぜ)
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