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03
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校舎の中に入り
真っ直ぐ職員室へと向かう
「何か不思議だね」
「…え?」
「先生って呼ぶ側から呼ばれる側になるからさ。ふと思ったんだ」
「…確かに、そうだね。先生か…いい先生になれるかな…」
生徒達の前に出る事が少ない
保健医だけど
でも、生徒達と関わる機会は
多いはず
ちゃんと出来るか
少し不安だった
「大丈夫大丈夫!歩夢は、いい先生になれるよ。きっと」
「そうかな…。だといいんだけど」
「自信持って!ね?」
「うん…。ありがと」
紘にそう言われると
不思議と心が軽くなる
それだけ君の言葉は
俺を安心させてくれる…
「不思議だね…」
「え?何が?」
「…へ?あ、いや…何でもない…」
「そう?ならいいや!」
思った事をすぐ口に出してしまう
このクセ…どうにかならないかな…
そんな事を思いながら
紘の隣を歩く
「よし、着いた」
「職員室…か…。何か緊張してきた…」
「…俺も…手震えてる」
そう言いながら紘は
震える手を俺に見せた
そんな君の手を
俺はそっと握った
「…歩夢?」
「少しだけ…このままでいさせて?」
「…う、うん…」
「少しでも紘の緊張が和らげばいいな…」
「…っ!あーもう…!」
「……え?」
気づけば俺は
君の腕の中にいた
いきなりの出来事に
俺は目を見開く
「ど、どうしたの…いきなり…」
「…歩夢が悪い」
「お、俺?」
「…歩夢があまりにも可愛かったから…さ」
「…っ!」
俺の耳元でそう囁いた紘の声は
いつもより低くて…
妙に色っぽかった…
そのせいで俺の心臓が…
もたないよ…
「…そ、そろそろ離れて?」
「嫌だ」
「え?!い、いや…そろそろ中入ろうよ…。だ、誰か来たら…あれだし…」
「あれって何?」
「い、いや…その…」
俺を離すどころか
さらに強く抱きしめてくる紘
どうしよう…
誰かに見られたら…
恥ずかしいよ…
「…はぁ。まぁ仕方ないか…。もうすぐ時間だしね…」
そう言って
しぶしぶ離れてくれた紘
やっぱり…
もう少し抱きしめててほしかったかも…
矛盾してるな…俺…
「…そんな目で俺を見つめないでよ…」
「え?ご、ごめん…」
「…潤んだ目で上目遣いとか…どんだけ俺を萌え殺すつもりなの…」
「何か言った?」
「え?!いや!な、何でもないよ!アハハ〜」
急に焦り始めた紘
…どうしたんだ?いきなり
「さ、さぁ!中に入ろっか!先生達が待ってる」
「そうだね。入ろっか」
そんな紘に少し疑問を持ちつつ
俺たちは職員室の中へと入った
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